ブロッキングのイメージ
(出典:いらすとや)

漫画やアニメの情報を違法に掲載する「海賊版サイト」の一部について、NTTグループがブロッキング(閲覧遮断)を行うと発表。一方でKDDI、ソフトバンク、インターネットイニシアティブ(IIJ)は「未定」「対応方針を検討中」などの姿勢を示した。

NTTグループによると今回の判断は、コンテンツ事業者団体からの要請と4月13日に開かれた政府の「知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議」で決まった「インターネット上の海賊版対策に関する進め方について」にもとづくもの。法制度が整備されるまで「短期的な緊急措置」として準備ができ次第行うとしている。


ブロッキングは中国など海外の一部の国で普及し、国内でも児童ポルノ対策などで限定的に導入しているが、日本国憲法第21条が禁じる「通信の秘密の侵害」にあたるとの指摘も出ており、また海賊版サイトなどへ適用するには法制度も不十分とする声もある。

KDDIは海賊版サイトへのブロッキングの実施については未定とし、政府の発表について対応方針は今後検討するとしている。

ソフトバンクは次のようにコメントした。「著作権などが侵害される事態を放置しておくことは看過できるものではなく、早急に対応すべき重要な問題として認識している。しかし、ブロッキングは通信の秘密を侵害する懸念もあり、慎重な議論が必要であることから、電気通信にかかわる業界団体などとも連携し、法律や制度、運用方法など、さまざまな観点から実行可能な方策を検討していきたい」

IIJも海賊版サイトへのブロッキングの実施については未定とし、併せて通信事業者として「電気通信事業法の主旨を大切にしていく」と強調した。

【2018/04/23 追記】

KDDIは4月23日、追加のコメントを出した。「著作権保護の重要性は理解している。技術運用面、法制面など含め検討中」としている。