すみだ水族館「チンアナゴ」 客が来ず人間を忘れる

すみだ水族館の臨時休館が続くなか、館内で展示している「チンアナゴ」は客が来ず人間の存在を忘れ、飼育スタッフがようすを見るのが難しくなっている。そこで水族館は、iPhoneやiPadのビデオ通話機能を使って遠隔で「顔見せ」してくれる人を募集している。

チンアナゴは本来、非常に繊細で警戒心の強い生き物。すぐ砂の中に潜って隠れてしまう。一方、約300匹がひとつの水槽で暮らすすみだ水族館のチンアナゴは客がいるのが日常なため、人が近づいても潜ることはほとんどない。


ところが3月1日よりすみだ水族館が臨時休館に入って以降、館内のチンアナゴたちにある変化が起きている。客がいない環境が日常になったことで人間の存在を忘れ始めてしまったのか、飼育スタッフが通りかかってもすぐに砂に潜って隠れてしまう事態になった。

チンアナゴたちが姿をみせなくなったことで、飼育スタッフが日頃行っている「元気かどうか」「痩せ細っていないか」「病気になっていないか」などを確認するのが難しくなった。

ほかにも、普段群れをなして生活するチンアナゴたちが、群れからはぐれてしまったことでストレスになっていないか、喧嘩してキズを負っていないかなど、砂の中に潜ってしまうと確認できないことがたくさんあり、チンアナゴたちが快適に過ごせるよう常に気遣っている飼育スタッフにとっては大事。

そこで今回は、iPhoneやiPadでビデオ通話越しに多くの人の顔を見せてもらうことで、チンアナゴたちに人間の存在を思い出してもらおうというもの。自宅にいながらチンアナゴに会える。

5月3~5日の3日間「緊急開催!チンアナゴ顔見せ祭り!」として急きょイベント型式で実施する。開催期間中は1日2回、フィーディングプログラム「さぁ、ゴハン!」も実施する。ゴハンのときならではのチンアナゴたちの生き生きとした姿が見られる可能性がある。

また顔だけ砂場からひょこっと出してる姿や喧嘩している姿、もしくは砂地から飛び出して泳いでいる姿も見られる可能性がある。逆に、みんな潜りこんでしまって、全く顔を出さない可能性もある。すみだ水族館としては初めての試みとなる。

なお同時に接続できるのは5回線のみ。ネットワークが混雑してしまったり繋がるのに時間がかかる可能性がある。

参加の流れは、ビデオ通話アプリケーション「Facetime」を立ち上げ、宛先に下記いずれかのGmailアドレスを入力しビデオ通話を発信する、というもの。

helpchin001@gmail.com
helpchin002@gmail.com
helpchin003@gmail.com
helpchin004@gmail.com
helpchin005@gmail.com

水槽前に設置したタブレット端末とビデオ通話が始まったら、チンアナゴに顔を見せながら手を振ったり呼びかけたりする。大声で叫ぶのはやめてほしいとのこと。設置する端末は5台。5分程度顔見せできたら、次の人のために通話を切るようすみだ水族館はうながしている。なおAndroidスマートフォン、タブレット、Windows PCなどは今回は参加できない。