米国 Mozilla のモバイル機器向け OS 「Firefox OS」をめぐる動きが活発化している。KDDI(au)は組み込み開発向けに、Firefox OS を採用したボード「Open Web Board」を10月下旬から無償提供する。Web ブラウザから複数の電子機器を連携制御できるツール「Gluin」も併せて公開する。

Firefox OS、スマホ以外に拡大--組み込みやテレビへ、勝機は?
au が発表した2製品

Mozilla のプロジェクトでは、従来の看板だった Web ブラウザ「Firefox」が地盤沈下を続ける一方、新たに Firefox OS が外部企業とも連携して勢いのよい展開を見せている。


au が開発した Open Web Board は、近距離無線通信規格 Bluetooth Low Energy に対応し、市販のさまざまなセンサ機器と接続できる。さらに市販の「Zigbee」通信装置を接続すれば、より幅広い組み込み機器と連携可能。

Gluin は、Open Web Board や 英国 ARM の「mbed」 機器などを Web ブラウザから一元管理し、さらに機器同士を連携させるアプリケーションも開発できる。

いずれも、まずは Mozilla が10月5日に東京都千代田区で催すイベント「Mozilla Open Web Day in Tokyo」に展示予定。さらに10月下旬以降の開発者向けイベントで、無償提供が始まる見通し。これに加え10月5日には、Firefox OS に関するコミュニティサイト「au Firefox OS Portal Site」も立ち上がる。

今回の試みは、Firefox OS を、従来のスマートフォンでの採用にとどまらず、さまざまな分野に広げてゆく計画の一環だろう。

 Mozilla は10月1日にも、テレビにつないでインターネット上の動画をストリーミング再生できる Firefox OS 搭載 STB 「Matchstick」を発表している。外部サービスと連携するための API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)だけでなく、機器の回路図まで一般公開する「オープン」な製品で、多くの開発者の協力を募っている。

Matchstick
Matchstick

ただし、いずれの分野でも先客がいる。

組み込み向けには、通信機能の充実をうたった新旧のプロジェクトがひしめき、「モノのインターネット(IoT)」の大合唱もあいまって、激しい戦いが起こるレッドオーシャン(血の海)の色を濃くしている。最近 ARM が無償提供すると発表した「mbed OS」 ひとつとっても、Firefox OS は十分な住み分け、差異化が可能だろうか。

また Matchstick は、米国 Google の Android OS 搭載 STB「Chromecast」をはじめとする諸勢力と直接競合するだろう。流れに乗り遅れまいとする Mozilla 陣営の意志ははっきりしているが、後発組として、どのような勝機を見ているのかは興味深い。