楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズは、音声通話サービス付きプランのみ提供してきた MVNO サービス「楽天モバイル」において、新たにデータ通信専用サービス「楽天モバイル データSIM」を3月16日より提供する。また、SIM ロックフリー Android スマートフォン「ARROWS M01」(富士通製)と音声通話対応プラン「楽天モバイル 通話SIM」とのセット販売を行う。2月24日に購入予約の受付を開始し、3月21日に順次出荷を始める。

データ通信「楽天モバイル データSIM」3月16日スタート、下り 150Mbps が月額900円から
発表に立った楽天副社長執行役員、楽天モバイル事業統括の平井康文氏

楽天モバイルは、フュージョンが2014年10月29日に提供を開始した、NTT ドコモの LTE ネットワークを利用する MVNO サービス。これまで音声通話対応 SIM カードの単体販売と、SIM ロックフリー端末と SIM カードのセット販売を行ってきたが、今回データ通信専用の楽天モバイル データSIM をサービス プランに追加した。


【楽天モバイル データSIM】

楽天モバイル データSIM は、通信速度が 200kbps に限られる割安な「ベーシックプラン」と、上り 150Mbps/下り 50Mbps の高速な通信プランが選択可能。SMS が利用可能なプランも用意されているので、ユーザー認証に SMS を使う各種サービス用としても使える。

音声通話をしたい場合は、フュージョンの IP 電話サービス「FUSION IP-Phone SMART」や楽天傘下の通話アプリケーション「Viber」を利用すればよい。楽天グループ以外の各種サービスもブロックされていないので、「050 plus」「LaLa Call」といった IP 電話サービス、「LINE」「Skype」「カカオトーク」などの通話アプリケーションの利用も可能だ。

税別料金は、初期費用が3,000円。月額料金やサービス内容はプランごとに異なり以下の通り。通信容量追加の料金は、100MB 当たり300円。

●ベーシックプラン
・最大通信速度:最大200kbps
・高速(150Mbps)通信容量:なし
・速度規制対象となるデータ量:なし
・月額費用:525円(SMS 機能なし)、645円(SMS 機能付き)

●2.1GBパックプラン
・最大通信速度:下り 150Mbps/上り 50Mbps(速度規制後は 200kbps)
・高速(150Mbps)通信容量:2.1GB
・速度規制対象となる3日間のデータ量:360MB
・月額費用:900円(SMS 機能なし)、1,020円(SMS 機能付き)

●4GBパックプラン
・最大通信速度:下り 150Mbps/上り 50Mbps(速度規制後は 200kbps)
・高速(150Mbps)通信容量:4GB
・速度規制対象となる3日間のデータ量:800MB
・月額費用:1,450円(SMS 機能なし)、1,570円(SMS 機能付き)

●7GBパックプラン
・最大通信速度:下り 150Mbps/上り 50Mbps(速度規制後は 200kbps)
・高速(150Mbps)通信容量:7GB
・速度規制対象となる3日間のデータ量:1.2GB
・月額費用:2,260円(SMS 機能なし)、2,380円(SMS 機能付き)

【ARROWS M01】

ARROWS M01 は、通話相手の声が聞き取りやすくなる機能「スーパーはっきりボイス4」を搭載し、従来の携帯電話(フィーチャーフォン)と同じ感覚で操作できるホーム画面「シンプルホーム」を用意するなど、スマートフォンを使い慣れていない人や年配ユーザーに向いた機種だ。ニフティも同社の MVNO サービス「NifMo」で ARROWS M01 のセット販売を始める。

スマートフォン初心者/年配層向けの ARROWS M01
スマートフォン初心者/年配層向けの ARROWS M01

楽天モバイルのような MVNO サービスの利用者はスマートフォンに詳しいユーザーが多く、初心者/年配層向けの ARROWS M01 はミスマッチのように思える。これに対し、楽天の副社長執行役員で楽天モバイル事業統括を兼任する平井康文氏は、通販サイト「楽天市場」利用者のうち年配層の占める割合が大きく、同サイトに対するアクセスの41%がモバイル デバイスからという現状を背景に、年配層がスマートフォンを使うようになって楽天市場へのリーチを増やしてもらいたい、と話した。

手ごろなサイズで持ちやすい ARROWS M01
手ごろなサイズで持ちやすい ARROWS M01

【楽天経済圏の活用】

楽天モバイルと楽天市場との相乗効果に期待する楽天だが、平井氏は楽天市場にとどまらない「楽天経済圏」の活用を楽天モバイル事業の戦略ポイントとして強調した。

例えば、楽天モバイル データSIM や ARROWS M01 の購入者に「楽天スーパーポイント」をプレゼントするキャンペーンを展開する。4月1日からは、楽天モバイルの支払料金100円ごとに楽天スーパーポイントを1ポイント付与する制度も始める予定だ。同ポイントを初期費用や通信料、通話料の支払いに充当できるサービスも順次導入する。今後、新規加入キャンペーンや友達紹介プログラムなどを実施し、さらに「楽天トラベル」「楽天ブックス」などグループ サービスも対象に含める考え。

平井氏は、楽天モバイルを楽天経済圏の“横串”とみなし、これが競合他社にないアドバンテージだと胸を張った。

【楽天モバイルの店舗展開】

現在、楽天モバイルの店舗は東京都渋谷区にある「楽天カフェ」1か所だけ。今後、店舗の拡充に取り組み、まず2015年春には楽天の本社がある二子玉川と、東北楽天ゴールデンイーグルス(楽天イーグルス)の本拠地である仙台の2か所にオープンさせる計画。そして、早い段階で合計10店舗に増やし、消費者とのタッチポイントを増やしたいとした。

楽天カフェに設けられた楽天モバイル受付カウンター
楽天カフェに設けられた楽天モバイル受付カウンター

【重複サービスの整理】

フュージョンは「楽天ブロードバンド」というデータ通信 SIM サービスを提供しているが、今回の楽天モバイル データSIM 開始にともない、楽天ブロードバンドのデータ通信 SIM サービスは「エントリー2!プラン」だけを残し、多プランの新規受付を終了させる。楽天ブロードバンドの既存ユーザーには、現在と同じ契約内容でサービス提供を続ける。

なお、「光コラボレーションモデル」を活用する光ファイバー(FTTH)回線とのセット割引プランについての質問がサービス発表会の場で出たが、これに対して平井氏は「検討していく」と答えた。

目標の1,000万契約に向けた取り組みの「1合目」とした平井氏 仕組みやプロセスが整ってきたので加速させる、との意気込みをみせる
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仕組みやプロセスが整ってきたので加速させる、との意気込みをみせる