
建設大手の鹿島は、地表に向かってレーザーを照射するドローン(無人航空機)を実用化した。高精度のレーザー測量を行える。
測量機器とソフトウエアを手掛けるニコン・トリンブル、三次元計測などを手掛けるルーチェサーチと共同で、実際に業務に使った。
大分県の大分川ダム建設工事で、レーザースキャナーを備えたドローンを飛ばし、高密度、高精度な測量を行って3次元図面を出力し、その結果を確認した。

大分川ダム建設工事では、もともとカメラを備えたドローンによる写真測量を行ってきた。しかし高低差のある複雑な地形や、伐採する樹木が生い茂っている土地では、精度の高い測量が難しかった。
そこでレーザースキャナーを搭載したドローンの出番。写真測量では、あらかじめ地表に目印を設置する必要があるが、レーザー測量では不要。地表にレーザーを照射して得た距離と、ドローンが備える衛星測位システム、ジャイロセンサーによる位置情報を駆使すればよい。
またレーザーは樹木の隙間を通り地表に達するため、伐採前の山でも利用できる。高低差も分かり、複雑な地形にも対応できる。測量結果は3次元CADなどで利用できる。

地上で行う従来のレーザー測量と比較し、90%の測量点でプラスマイナス4.5cm以下の精度で測量できた。また有人の航空機などによる航空レーザー測量と比較して安価で、しかも作業現場の必要に応じて何度も測量できる。
ほかにも空中に存在する電線などの正確な位置まで把握でき、写真測量が困難な薄暮時でも活躍できる、といった利点を確かめられたという。
今後はドローンによるレーザー測量の精度をさらに高めていく考え。