キヤノンマーケティングジャパン(キヤノン MJ)は、企業向けの LTE データ通信専用 MVNO サービスを開始した。対応 SIM をビジネス市場向けに提供し、同社の各種ソリューション サービスとの相乗効果を狙う。

キヤノン MJ の MVNO サービスは、NTT ドコモの LTE ネットワークを利用するもの。MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)であるインターネットイニシアティブ(IIJ)の協力を得て実現させた。データ通信専用であり、音声通話には対応していない。


キヤノンMJ が企業向け MVNO サービスを開始、IIJ と協業しデータ専用 SIM 提供
キヤノンMJ が MVNO サービスを提供する仕組み

料金プランは最大通信速度、1か月間の高速通信データ容量、契約期間が異なる以下の4プラン。記載した料金はいずれも税別。SIM 単体だけでなく、無線 LAN(Wi-Fi)ルーターやパソコン、スマートフォン、タブレットに組み込んだセット モデルも展開していく。

【定額プランL 1G】
・最大通信速度:上り50Mbps、下り150Mbps
・月額料金:3,800円

【定額プランL 7G】
・最大通信速度:上り50Mbps、下り150Mbps
・月額料金:5,500円

【定額プランライト】
・最大通信速度:上り256kbps、下り256kbps
・月額料金:900円

【定額プランライト:いちねん】
・最大通信速度:上り256kbps、下り256kbps
・年額料金:1万円

有料オプションサービスとして、まとめて契約した複数の SIM 間で高速通信データ容量を分け合える「データシェアオプション」と、接続可能な IP アドレスを制限する「Biz+(接続先限定)」を用意する。料金などは以下の通り。

【データシェアオプション】
・初期費用:2万円(1契約当たり)
・月額料金:無料
・適用可能プラン:定額プランL 7G

【Biz+(接続先限定)】
・初期費用:1万円(1契約当たり)
・月額料金:300円(1アカウント当たり)
・適用可能プラン:定額プランL

なお、最近 MVNO 市場に事業者が増えており、今回 キヤノン MJ が開始するサービスの価格は多くの消費者向け MVNO サービスと比べ安くない。ただし、同社によると、消費者向けサービスは契約にクレジットカードが必要なことがあるなど、企業が業務で利用するには使いにくい面があるという。

そこで同社は、企業に導入されやすい決済方法を用意するほか、前述した IP アドレス接続先限定といったセキュリティ機能を用意したり、企業ユーザー向け窓口/対応サービスを提供したり、システム管理者向け情報管理サイトを運営したりすることで、企業に訴求する考え。さらに、2015年上期にはモバイル デバイス管理サービス(MDM)、データ保存/共有サービス、クラウド サービス「Microsoft Office365」といったメニューを追加する計画。

これまで同社は、顧客からモバイル回線の提供を求められると要望に合うキャリアを紹介していたが、そのような形だとサービス契約を逃すこともあったそうだ。自社で SIM を用意できる体制を整えることで、SIM を売って儲けるというよりも SIM をソリューション販売のツールの一つとして活用し、ソリューション サービスの契約獲得機会を増やす考えだ。