ソフトバンクグループは千葉県・舞浜で開いた発表会で、感情認識機能を備えるというヒューマノイド型ロボット「Pepper」を披露した。クラウドベースの AI(人工知能)で動作する。2015年2月に一般向けに発売する。希望小売価格は19万8,000円 。

発表会前日にはすでに、ソフトバンクがロボット市場へ参入すると日本経済新聞が報道し、ソーシャルメディア上でその話題が広まっていた。当日、ライブ動画配信サービス「Ustream」などを介したインターネット生中継でも、視聴したユーザーは次々とロボットに関する観測のコメントを投稿していた。


ソフトバンク、クラウド AI で動くヒューマノイドロボット「Pepper」発表、19.8万円で来年2月発売
Ustream での生中継には昼間にもかかわらず1万以上の視聴があった

発表会では実際に、子どもほどの背丈のヒューマノイド型の機器があらわれた。台車のような移動手段を持ち、両腕や首を滑らかに動かしてさまざまな姿勢を取り、続いて登壇したソフトバンクの孫正義社長と、人間同士の会話のようにかけあいをするようすが演じられた。

Pepper と呼ばれるこの機器は、ソフトバンクの説明によると、搭載するセンサで人間の表情や声などを認識、分析し、感情を理解して適切な反応をとる。複雑な処理はもっぱらクラウド上の AI(人工知能)が担う。

Pepper のさまざまな行動に対して人間が「ありがとう」などと声をかけると、インターネットを介してそのデータを自動送信し、蓄積し、より適切な行動をとるようになる。家庭、店舗、企業などで大量に運用することで、加速度的に AI の学習が進むと、ソフトバンクは見込む。一方で家庭の中にとどめておくべき情報など、プライバシ保護は図るとしている。

頭の上に4つの高性能マイクがついており、声がした方向を認識できる。また目の部分にある赤外線センサで人間との距離を測定できる。なお、2足歩行を採用しなかった理由は、バッテリー稼働時間を伸ばすためで、フル充電から12時間動き続けられるという。

■開発はフランス Aldebaran Robotics

Pepper の開発を手掛けたのはソフトバンクグループのフランス Aldebaran Robotics。代表者の Bruno Maisonnier 氏は35年前からロボット開発を始め、2005年に同社を設立したという。発表会に登壇した同氏は Pepper を「最高のインターフェイス」と呼んだ。ロボット部分はクラウド上の AI の一部という含みだろう。

なお、ソフトバンクは6月15日に Cocoro SB という、Pepper のクラウドサービスにたずさわる新会社を設立する予定。

これに加え、Pepper は外部の開発者が作ったアプリケーションを搭載する機能があることも、ソフトバンクは発表した。9月に開発者向け会議を催し、SDK(ソフトウェア開発キット)を配布する予定。アプリ配信サービスの立ち上げも計画している。これに先立ち今夏に、開発者のための体験施設「アトリエアルデバラン」をまずフランス・パリで、次いで東京の表参道、秋葉原に設置する。

製造は EMS(受託製造)世界大手 Foxconn Technology Group が担当する。同社の Terry Gou 会長も発表会に登壇した。