ウェザーニューズ「ゲリラ豪雨傾向2021」

突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらす「ゲリラ豪雨」は2021年7~9月に全国で約7万5,000回発生する見込み。前年比1.2倍で、ピークは8月中旬~下旬。ウェザーニューズが「ゲリラ豪雨傾向2021」として予想を発表した。

ウェザーニューズ ゲリラ豪雨傾向2021

ウェザーニューズ「ゲリラ豪雨傾向2021」

ウェザーニューズでは減災を目指して認知を拡げるため、「局地的大雨」を指す言葉として「ゲリラ豪雨」を用いている。


2021年7~9月のゲリラ豪雨は、全国でおよそ7万5,000回発生する予想で、前年の約6万2,000回を上回る見込み。日本海側を中心に発生回数が多くなる見通し。例えば北海道は前年比2.0倍の約1万400回、秋田県は1.9倍の約2,500回、石川県は2.3倍の約1,600回。そのほかの人口の多いところでは、東京で約1,200回、愛知で約1,000回、大阪で約400回といずれも前年並の回数と予想している。

雨雲の発生は山沿いがメインだが、平野部(都市部)にも流れ込んだり、直上で発生したりする場合がある。1回のゲリラ豪雨で、激しい雨による冠水や浸水、落雷による停電や交通機関のまひなどの被害を懸念している。

発生ピークは8月中旬~下旬の予想

ウェザーニューズ「ゲリラ豪雨傾向2021」

発生ピークは8月中旬~下旬がピークとなる見込み。ゲリラ豪雨は、太平洋高気圧が弱まって湿った空気が流れ込む時や、上空の寒気が通過し大気の状態が不安定になる時に発生しやすい。7月中旬から9月初めにかけて日本付近は高気圧に覆われて晴れる日が多くなる予想。ただし本州日本海側を中心に高気圧の周囲をまわる湿った空気の影響を受けて、ゲリラ豪雨が発生しやすくなる。

9月上旬からは秋雨前線や台風の影響を受け、突発的かつ局地的なゲリラ豪雨の発生は減少してゆく。9月中旬からは移動性の高気圧や前線の影響を交互に受けるようになり、ゲリラ豪雨のシーズンも終息に向かう見通し。

エリア別のゲリラ豪雨傾向

北日本

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北日本のゲリラ豪雨の総発生回数は約2万回の予想。前年の1万2,579回と比べるとおよそ1.6倍に増加する。発生ピークは8月下旬の見込み。

2021年は高気圧の縁辺から流れ込む湿った空気の影響で日本海側を中心にゲリラ豪雨の発生回数が多くなる予想。北海道の発生回数は前年比2倍の約10,400回、秋田は前年比1.9倍の約2,500回を予想している。


東日本

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東日本のゲリラ豪雨の総発生回数は、約2万5,000回の見込み。前年の1万9,948回と比べるとおよそ1.3倍に増加する。発生ピークは8月中旬~下旬の見込み。

関東南部や甲信、東海では前年とほぼ同程度となるが、関東北部や北陸では発生回数が多くなる見込み。群馬県の発生回数は前年比1.9倍の約2,200回、石川県は前年比2.3倍の約1,600回に増加する見通し。

西日本

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西日本のゲリラ豪雨の総発生回数は、約2万6,000回の予想。前年の2万3,550回と比べると、およそ1.1倍で同程度。発生ピークは8月中旬~下旬の見込み。

日本海側を中心にゲリラ豪雨の発生回数が多くなる予想。兵庫県の発生回数は前年比1.7倍の約2,400回、福岡県は前年比1.3倍の約1,300回を見込む。