東芝は、日本の「準天頂衛星」を利用し、将来的に GPS を超える精度で現在位置を把握できるという EV(電気自動車)バスを開発した。東京都府中市にある同社の事業所で、工場の見学や視察に訪れた人を運ぶために運行している。

「GPS 超える精度」--準天頂衛星を利用する EV バスを東芝が開発
EV バス

現在、多くのカーナビゲーションシステムでは、米国の衛星測位システムである GPS を利用しているが、これは一般に誤差 10m 程度の精度で現在位置を測定する。カーナビは精度を高めるため、地図の情報と照らし合わせて位置を補正する技術も組み込んでいるが、空港や事業所の敷地など地図の情報が不足するところでは使えない。さらにビルや山に遮られ、GPS の衛星から電波を受信するのが困難な場合もある。


日本の「準天頂衛星」による測位システムは、天頂(地上にいる人の真上)方向に衛星が見え、ビルや山に遮られず電波が受信できる。さらに将来的には誤差数 cm 程度という GPS 以上の精度で現在位置を把握できる見込みとか。

新たに開発した EV バスでは、準天頂衛星の電波を受信するためのカスタム LSI を使った日本無線製の受信装置を採用している。また長寿命、急速充電性能、低温動作などが特徴の東芝製二次電池「SCiB」を搭載する。

これに加え EV バスの現在位置や電力使用状況を車載サーバに集約し、車内モニタや事業所の来客用ロビーにある大型マルチディスプレイ、受付の PC などに表示できる。

東芝はこのような EV バスを、空港や事業所の敷地内向けの移動手段として2018年までに実用化したい考え。

GPS を補完、補強する技術が数多く登場する中、準天頂衛星を利用するシステムが今後どこまで普及するのか注目される。