IE6 は PC 向け OS として息の長い人気を誇る Windows XP の標準搭載ブラウザとして、多くの企業に普及し、これに最適化した業務向け Web アプリケーションも多数登場した。
MS は2014年4月に Windows XP とともに IE6 の公式サポートを終了し、より新しい OS、ブラウザへの移行を呼びかけているが、残念ながら業務向け Web アプリが必ずしも対応できている訳ではない。
そこで注目を集めるのが Windows 7/8などの比較的新しい OS で、IE6 対応の Web アプリをそのまま利用できる互換ブラウザだ。 製品発表時からニュースサイトやブログで話題になっていたが、大規模な導入事例が明らかになり、あらためて脚光を浴びている。
■双日システムズの「thinforie」
最近関心を集めているのが、双日システムズが開発した「thinforie」。中京銀行の PC、1,500台に導入実績が明らかになった。
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thinforie (出典:双日システムズ) |
中京銀行では Windows XP 搭載 PC を Windows 7 搭載 PC へ刷新するにあたり、thinforie を採用して既存のIE6 対応 Web アプリを使い続けられるようにした。
導入にあたっては、米国 VMware のアプリ仮想化製品「ThinApp」と組み合わせている。ThinApp では Windows XP 向けのさまざまなアプリを、 Windows 7 などに取り込んで動かせるが、IE6 を直接取り込むと、Windows 7上で2つのバージョンの IE が稼働することになり、MS のライセンス規約に抵触するため、代わりに thinforie を採用した。
回りくどいようにも思えるが、中京銀行はこれで Windows XP のサポート終了に関連した Web アプリの改修から解放され、今後は本来の銀行業務の機能やサービス向上に伴うアプリ改修に専念できるという。
■ネットワールドの「LIBRA」
ネットワールドが開発した「LIBRA」も、ThinApp と組み合わせて利用する IE6 互換ブラウザだ 。
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LIBRA(出典:ネットワールド) |
Windows 7/8 上で IE6 対応 の Web アプリを利用できる点は、thinforie と同じ。 LIBRA 自体は無償だが、保守サポートはない。ネットワールドに各種カスタマイズ、事前検証、動作確認を依頼する場合は有償となる。いずれも正常動作を前提とした成功報酬型としている。
これらの製品について、ソーシャルメディア上では、IE6 によい印象のない技術者からの苛立った反応や、レガシアプリを多く抱える企業の需要をすくい取る着眼点に感心する声まで、さまざまな意見が出ている。いずれにしても、仮想化という技術の新たな潮流の中で、古いアプリを温存する努力が熱心に行われている現状は興味深い。