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MIT、海水を飲み水にする新技術―「逆浸透膜」使わず省エネ化

海の水、飲み水にするのは大変(イメージ)

海水を低コストで飲み水に変えられる、かもしれない新技術が話題になっている。マサチューセッツ工科大学(MIT)が開発し、電気電子技術の学会誌「IEEE Spectrum」で発表したものだ。

海水から塩分などを取り除く技術はすでにいくつかある。有名なのは、海水を沸騰させて水と塩分などを分離する「多段フラッシュ法」と、水だけを通し塩分などを通さない分厚い膜でろ過する「逆浸透法」だ。ちなみに逆浸透法は日本が得意とする分野だ。

MITが開発したのはより省エネルギーになりうる技術だという。

手順とはまず、小さなガラス粒子を焼き固めて作った多孔質の素材を通して、塩分などを含む水が流れるようにする。次いでこの素材にわずかな電流を発生させると、水の流れに塩分が濃い側と、薄い側ができる。さらに電流が一定の値に達すると、素材の表面に衝撃波が発生し、淡水と塩水の2つの流れに完全に分離するという。

MITによる概念図

数年前にスタンフォード大学が発見した、塩水に衝撃波が発生する現象を、MITが今回応用した。各種塩類を99%以上除去し、最大79%の水を利用することが可能とうたっている。泥やバクテリアなどの汚染物質も取り除けるそう。これに加え、構造が単純で安価な素材を使うので、規模の大きな設備が作りやすいとか。

主張の通り本当に省エネルギーで実用化できるのであれば、なかなか面白い。
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