NASAの人型ロボット

米航空宇宙局(NASA)が開発した人型ロボット「R5 Valkyrie(ヴァルキリー)」が火星を開拓するための試験に取り組んでいる。

ヴァルキリーは、テキサス州ヒューストンにあるNASAのジョンソン宇宙センターが2013年に開発した機体だ。一見するとアニメか漫画を彷彿とさせるデザインは、日本の人型ロボット「ASIMO」や「HRP」シリーズなどにも相通じる要素がある。

壁から伸びたケーブルにつないで電源を供給するほか、バッテリーを搭載した状態で独立して1時間ほどの活動が可能。複数の関節を持ち、2足歩行をしたり、首をめぐらせたり、腕を曲げたり伸ばしたり、4本の指をあやつって手作業も行える。2015年時点での公開仕様を見る限り、頭脳にあたるCPUにはIntel Core-i7シリーズを2基搭載しているという。

身長188cm、体重136kgと、日本の感覚からするとかなり大きい。


米国の軍事研究機関である国防高等研究計画局(DARPA)のロボットコンテストに出すために開発し、当初は災害救助などの用途を想定していたのだが、最近はNASAの火星開拓計画での利用が大きく注目を浴びている。

ヴァルキリーは、NASAが開く「Space Robotics Challenge(SRC)」という取り組みを通じて火星で活動するためのさまざまな機能を開発、検証する。マサチューセッツ工科大学(MIT)などを含む多数のチームが競い合う大会形式で進んでいる。「Gazebo」というアプリケーションによって仮想空間でロボットを操り、あたかも火星にいるかのように働かせるといった内容を含む。

赤い大地に通信機を設置し、壊れた太陽電池を修理し、居住区の空気漏れなどを発見してふさぐ、といった作業をこなす。「ジャガイモを植えて育てる以外の部分は何でも」するという話だ。6月にSRCは最終段階を迎える予定。

もし実用性が認められれば、ヴァルキリーまたはその後継機はロボットノート(ロボット宇宙飛行士)として人間に先行してさまざまな装備とともに着陸し、快適な環境を整えてくれる可能性がある。

マーク・ワトニー(SF小説「火星の人」の主人公である宇宙飛行士)が火星でサヴァイヴァルをすることになっても、随分楽をできるかもしれない。