
ドイツSono Motorsは、ボディのほぼ全面にソーラーパネルを敷き詰めたEV「Sion」にリン酸鉄リチウムイオン電池(LFPバッテリー)を採用したと発表しました。航続距離がアップしたほか、バッテリー寿命が長くなり、リサイクルも容易になったとしています。

「Sion」は、ルーフだけでなく、ドアやボンネット、リアゲートなどエクステリアのほぼ全面に合計248枚ものソーラーパネルを装備したEV。このパネルが発電した電力でバッテリーを充電して走行する仕組みとなっています。発電量は天候や日照時間に左右されますが、7月のドイツであればソーラーパネルで発電した電力だけで最大約35km走行できるそう。これは、欧州における平均的な自動車通勤には十分な距離なのだそうです。

太陽光だけで走れるEVに
「Sion」は充電スタンドを利用した充電にも対応しており、以前発表されていた仕様ではフル充電での航続距離は最大250キロ走行とされていました。今回、LFPバッテリーを採用したことで航続距離は最大で約305kmに。約50km延びて少しだけ遠くまで行けるようになっています。充電スタンドと、ソーラーパネルからの充電を組み合わせれば、もっと遠くまで行けるかも。バッテリーの充電に必要な時間は75kWでは60分となりました。


LFPバッテリーを採用したことで充電サイクルは最大3,000回と、電池寿命も延びています。バッテリーはクルマ用としては寿命を終えたあとでも、家庭用ソーラーパネルで発電されたエネルギーを貯蔵する用途などでは利用できる可能性があるのだとか。
安全性も向上。LPFバッテリーは、事故などで損傷した場合や大幅な過充電が発生した場合でも火災や爆発などが発生しにくいことが、テスト環境下での検証では実証されているとのことです。

Sono Motorsはすでにプリオーダーを受け付けており、「Sion」の欧州での価格は2万5,500ユーロ(約338万円)から。同社はこれまでに1万3,000台以上受注したと発表しています。

「だん吉」と命名したい!