
年内にプロトタイプ完成を目指す
同社によれば、近視の多くは眼軸が伸展することによって起こる「軸性近視」と診断されるという。眼軸長が伸びると眼球の中で焦点が網膜より手前に位置づけられるため、遠くが見えにくくなる。

現時点では、薬事承認を受けた近視治療法は日本には存在しない。だが今回、クボタビジョンでは眼に光を用いた刺激を与える「アクティブスティミュレーション」が眼軸に与える影響を検証し、眼軸長が短縮することを確認した。なお、検証の対象となったのは検証の対象となったのは21歳から32歳までの12名で、人種構成はアジア人7名、白人4名・ヒスパニック1名だった。性別では男性9名で女性は3名だった。
同社によれば通常、眼軸長は年齢と共に伸びるか成長が止まるもの。人工的な光によって眼軸長が短くなることは前例がないという。
クボタビジョンはこのテクノロジーを「クボタメガネ・テクノロジー」とし、これを実装したメガネやンタクトレンズの実用化を目指す。

同社代表執行役会長、社長兼最高経営責任者である窪田良博士は、検証結果について次のようにコメントしている。
「今回、近視患者を対象とした検証で、このような予想以上に良好なデータが得られたことを大変嬉しく思います。近視を撲滅することによって、生活の質を高めることはもちろんのこと、近視によって引き起こされる失明に至る合併症を減らすことができると期待しています。我々は、世界から失明を撲滅することを目標に、まずは近視の撲滅を目指してまいります」