「いつ、どこで作られた?」を自己申告する食パンやポテト!
(画像提供:Jeff Fitlow氏/ライス大学)

米国テキサス州のライス大学は、パンやポテトなど、ある種の食物をグラフェン化する技術について概要を発表した。この技術を活用すれば、食物自体がRFIDタグやセンサーとして機能するようになる。

研究を進めているのは、ライス大学の教授であるJames Tour氏の研究室。同研究室では、「炭素を含有するものはなんでも、グラフェンになりうる」を主要な研究テーマとしており、レーザーを用いて衣服などの表面をグラフェン化させるプロセスを開発している。


今回発表されたのは、このプロセスを食べ物に応用したもの。レーザーで食物の表面をグラフェン化している。James Tour氏は次のように説明している。

「これはインクではない。食物をグラフェン化させたものだ」

ライス大学の教授であるJames Tour氏
ライス大学の教授であるJames Tour氏
(画像提供:Jeff Fitlow氏/ライス大学)

グラフェンには様々な可能性が秘められているが、その例のひとつとしてRFIDタグの組み込みがあげられる。Tour氏は次のように述べる。

「このタグは消費者に対し、食物がどこで採れ、どのくらいの期間保管されていたかといった情報を提供する。採れた国や街がわかるだけでなく、その後、どのようなルートを経てテーブルに辿り着いたのかがわかるようになるのだ」

グラフェンはまた、センサーとして機能させられるかもしれない。例えば食物内部の大腸菌や微生物を検知し、消費者にその存在を知らせるセンサーだ。

「(大腸菌や微生物を)検知した場合、発光して消費者に対し食べない方が良いことを知らせる。この技術の素晴らしさはこれらが食物中に組み込まれたタグで機能するのではなく、食物自体がタグとして機能するということだ」

食べられるグラフェン製造技術、ライス大学が開発中
グラフェン化された食物には様々な可能性がある
(画像提供:Jeff Fitlow氏/ライス大学)

研究の概要は、ライス大学のWebサイト、およびACS NANOに掲載されている。