スーパーコンピューター京
活躍を続ける京

日本のスーパーコンピューター(スパコン)「京(けい)」が2つの世界ランキングで1位になった。2012年の正式稼働開始から登場からすでに5年が経過しているが、強い存在感を保っている。

京は富士通などが開発し、理化学研究所(理研)が運用するスパコン。当初、浮動小数点数演算を1秒あたり1京回おこなう性能から名を付けた。

富士通は6月に、スパコンの産業利用などに役立つ共役勾配法の処理速度の世界ランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」で、前回2016年11月に加えて2期連続で1位になったと発表した。

HPCGのランキング情報
HPCGの6月ランキング

続けて、スパコンのビッグデータ処理(大規模グラフ解析)に関する世界ランキング「Graph500」で、2016年11月に続き5期連続、通算6期の1位獲得を果たしたと発表した。

Graph500のイメージ
Graph500の6月ランキング

なお、単純な演算能力を競うTOP500でも、京は世界8位の地位にいる。ちなみにTOP500の1位は京のライバルというべき中国の神威太湖之光(Sunway TaihuLight)。2015年に登場した比較的新しいスパコンだが、いまだにGraph500やHPCGといったランキングでは京をしのげないでいる。

富士通にとっても新鋭を相手に一歩もひかぬ戦いを見せるベテランの王者、京は誇りとなっているようだ。

例えばGraph500での勝利について「今回のランキングでもこの記録は神威太湖之光等の新しいシステムに比べても大幅に高いスコア」と凱歌をあげ、HPCGについても「TOP500では京よりも上位で約9倍のスコアを持つ神威太湖之光などを上回った」とうれしそうだ。

もちろん神威太湖之光はGraph500で2位、HPCGで3位という実力を持ち、改良などでさらに得点を伸ばしてくるから、油断はできない。

しかも神威太湖之光ばかりが競合ではない。TOP500では米国Cray(クレイ)が開発しスイスで稼働しているPiz Daintが3位に躍り出た。「謎の企業」として騒がれた大手チップメーカーNVIDIAの最新製品を搭載して急激に性能を高めた結果で、新しい技術の潮流を感じさせるできごとだった。

また富士通が2016年に完成させた新たなスパコン「Oakforest-PACS」もTOP500で6位となり、新世代の実力のほどを示している。

TOP500のランキング
TOP500の6月ランキング

日進月歩の技術革新を見せるスパコンの世界で、京は今後どれだけのあいだ、幾つものチャンピオンベルトを巻いていられるだろうか。