
人工知能(AI)技術を応用したスマ―トヘルメットを、Nextremerが開発中だ。スマートフォンを取り付けると作動し、対話をするように音声ナビゲーション機能などを利用できる。
Nextremerはもともと、AIの技術を応用し、対話をするように音声で操作できる機器を作っている会社だ。
最近開発している「スマートヘルメット」もその1つ。ヘルメット本体にはマイク、スピーカーなどを備えており、専用アプリケーションを入れたスマートフォンを取り付けると、音声ナビを利用したり、音声メモを残したり、通話したりもできるそう。音声のほか頭を振って操作する「シェイキング・インターフェース」も採用している。

ちなみに日本向けではなく、インド向けの製品。
■なぜインド?
実はNextremerの研究開発拠点の1つはインド南部のプネ市にあるのだが、かの地ではバイクを利用する人がとても多いという。しかもヘルメットの着用義務をほとんど守らないのだとか。おまけにバイク運転中にスマートフォンで通話やメッセージのやりとりもよくあるらしい。

それでうまく行っているのかというとそうでもない。インド政府の発表によると、14歳以下の子どもが死傷する事故のほとんどがヘルメットを着用していない場合に起きているそう。
ならばスマートフォンの機能を便利に使えるヘルメットを作ればよいのではないか、という発想にいたったとのこと。

Nextremerによると、先行するスマートヘルメットとしては、すでに米国の「SKULLY」やロシアの「LiveMap」があり、日本でもヤマハとソニーが共同開発している。しかし、いずれも高価、高機能な嗜好(しこう)品の位置付けだとか。新たなスマートヘルメットはできるだけ安く、最小限の機能でインドで多くの人が使ってくれる製品にしたい考えだ。
はたしてNextremerの戦略がうまくゆくのかどうか、興味深いところ。