重さわずか2.7キロの自転車フレーム、CAMARDの「LZR」

「LZR」は、重さ2.7キロの自転車用フレーム。イタリアミラノに本拠を置くCAMARD Milanoが開発した。

重さわずか2.7キロの自転車フレーム、CAMARDの「LZR」
CAMARD Milanoによる「LZR」

軽量化ができた理由は、一般的なダイヤモンドフレームから「ダウンチューブ」と「シートステイ」を取り払ったデザインにある。これらをフレームから排除したことでフレーム単体2.7キロ、フォーク装着時3.4キロを実現した。タイヤなどを装着し完成車としても軽いので、担いで階段をのぼるのも容易だ。


重さわずか2.7キロの自転車フレーム、CAMARDの「LZR」
担いで階段をのぼるのも容易

「ダウンチューブ」&「シートステイ」を取り払うとフレーム剛性が下がり、ペダリング時の“歪み”が大きくなるなどして、ペダルを漕いだ力が効率的に伝達できなくなることがある。

このようなフレームの歪みを防ぐのが、CAMARD Milanoが開発した“フィン”。チューブに取り付けられた魚のひれ(フィン)のような“フィン”が、サイクリストのペダリングパワーを逃さず伝達可能にしている。高いフレーム剛性を発揮しながらも、「ダウンチューブ」や「シートステイ」よりも軽いというのが“フィン”の強みだ。

重さわずか2.7キロの自転車フレーム、CAMARDの「LZR」
フレームに装着された“フィン”
高いフレーム剛性と軽さを両立

CAMARD Milanoは現在、クラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、フレーム+フォークのセットを742ユーロの出資で入手可能だ(日本への送料42ユーロ別途)。出荷は2017年7月を予定している。CAMARD Milanoは、「LZR」フレームを使った完成車(自転車)も用意しており、こちらの価格は1,300ユーロ(日本への送料70ユーロ別途)。

重さわずか2.7キロの自転車フレーム、CAMARDの「LZR」
完成車も販売

さて、「LZR」には欠点も存在している。ダウンチューブがないため、ボトルケージの取り付け場所などが制限されてしまうのだ。サイクルバッグの取り付け場所に悩む人も出てくるかもしれない。

重さわずか2.7キロの自転車フレーム、CAMARDの「LZR」
ダウンチューブが無い分、荷物の設置場所も少ない

また、シートステイがないため、後輪に市販のキャリパーブレーキを取り付けることができない。ローラーブレーキやディスクブレーキを使用するにしても、シートステイにブレーキケーブルを固定できないため、ケーブルが後輪に干渉してしまう可能性がある。この点についてインターネットコムはCAMARD MilanoのDavide e AlessandroさんにEメールで取材。次の回答を得た。

「キャリパーブレーキを取り付ける場合、フレームに専用のプレートを装着してマウントできる。プレートを装着しなくても、ローラーブレーキなどが使用可能だ。LZRのフレームには、ブレーキケーブルや変速機用ケーブルを通す穴が開けられており、シートステイがなくてもケーブルが後輪に干渉することはない」

重さわずか2.7キロの自転車フレーム、CAMARDの「LZR」
シートチューブにプレートを装着すれば
キャリパーブレーキを使用可能に