

壁や床を指さすだけで「穴」を開け、別の空間とつなげられる力を手にしたら、どんな気持ちがするだろうか。Microsoftのゴーグル型コンピューター「HoloLens」をかぶれば、そんな仮想体験が可能になるかもしれない。
HoloLensは拡張現実(AR)あるいは複合現実(MR)という、現実の景色に仮想の映像を重ねて見て、操作することが可能な装置。1月に出荷が始まったばかりで、まだ出回っているのは数千台という規模だが、入手した技術者は早速さまざまな実験を始めた。

その成果の1つが、Twitterで話題になっている。3DCG制作のVoxcellDesignが公開したものだ。この会社は以前にも「日本列島を焼きつくす拡張現実(VR)」などを手掛けて注目の的になった。最新技術を使いこなす腕前はもちろん、アニメやゲームを愛する現代日本人の心に刺さるような絵作りに抜群の感性があり、人気を博するのだ。
Oculus Touchで地表を指し示すものを作ろうと思ったら思いがけず巨神兵かゴジラの気分になれた。#日本列島VR pic.twitter.com/j2VVeLCBjl
— VoxelKei (@VoxelKei) 2016年12月18日
新たな映像では、HoloLensをかぶっているとおぼしき人物が部屋の壁や床、天井を指をさすだけで、丸い穴が開く。そのようすは、目を奪うま新しさがあるようでいて、どこかなじみ深い気もする。
床に穴を開けたった #HoloLens pic.twitter.com/tPU2x3M0lB
— VoxelKei (@VoxelKei) 2017年1月29日
床だけじゃなく壁でも天井でも好きな場所に穴を開けられるようにしました。これは結構面白いかもしれない。 #HoloLens pic.twitter.com/ilg8MIDnL6
— VoxelKei (@VoxelKei) 2017年1月29日
例えば米国のゲーム会社Valve Softwareが開発した名作「Portal(ポータル)」を思い出さないだろうか。壁にどこか別の空間へと通じる穴を開ける兵器、ポータルガン、あれが現実に使えたら、という願望がかたちになったかのようだ。
もちろんARやMRでは、あくまで現実に仮想の映像をかぶせているだけなので、近づいても通り抜けられはしないが、しかし見ていてわくわくするのは確かだ。