昨年春に発表され話題となったWindows 10搭載ゲームコンソール「GPD Win」。5.5インチスクリーンを搭載したこの商品は、昨年末の販売開始後も購入者の期待を裏切ることはなく、いまも熱心なマニアの人気を集めている。
5.5インチスクリーンのWindows 10 PCとしても使える
その「GPD Win」を製造するGPD technologyが、7インチ画面を持つ「GPD Pocket」を発表した。すでに日本の正規代理店ドゥモアの運営するオンラインショップヴェルテが、販売予約を受け付けている。
あれに、似てる?
「GPD Win」はゲーム機ではあったが、ポケットに入るPCとしても利用できるのが特徴。例えば筆者の友人の日本語教師は、これを外国人に対する日本語教育で活用している。日本語動画を授業で使用する際などに、入出力端子が豊富な「GPD Win」は便利なのだ。たとえば、教室内のプロジェクターに動画を投影する場合にはminiHDMIコネクタが使用できる。また、教材となる動画ファイルは、USBメモリーやmicroSDカードなど様々な記録媒体で保存されているのだが、それらのほとんどを直接装着できるのだ。CPUはAtomではあるものの、ゲーム向けに開発されただけあって動画処理能力はそれなりに高い。ビデオの再生中にコマ落ちするといったことはほとんどないそうだ。
ノートPCなみ
だがPCとして使用するには「GPD Win」にはいくつか問題点もある。キーボードがあまりにも小さいのだ。文字入力では両手の親指を使うのだが、誤入力が多く、いらいらするらしい。また、5.5インチの画面を見ながらの授業準備作業は、画面が小さすぎて見にくいという欠点も。
「GPD Pocket」はこれらの問題の解決を期待できるマシン。7インチサイズの画面は、なつかしのネットブックASUS EeePC 701と同じサイズだ。あのマシンを持っていた人なら、7インチサイズの画面があれば、頑張れば、まぁなんとか仕事もできることを覚えているだろう。筆者はEeePC 701シリーズにUSBモバイルルーターを挿し、高円寺のマックで仕事をしていたことがある。
5年ぶりに電源を入れたらちゃんと起動して驚いた
一方でキーボードサイズはEeePC 701シリーズよりもかなり小さめ。とはいえ、「GPD Win」よりはずっと打ちやすいはず。実際に触ってみるまではわからないが、ある程度は仕事でも使えるのではないか、と思いたい。
中国製PCのキーボードは、右上に電源ボタンのあるものが多い?
一般的なキーボードよりも小さい
「GPD Pocket」は今年2月にクラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを開始する予定。入手に必要な出資額などはまだ明らかにされていないが、オンラインショップヴェルテでは5万円で予約を受け付けている。出荷開始予定は2017年12月。
2017年は始まったばかりなのに、12月出荷予定の製品の予約を入れるというのは鬼ちゃんに爆笑されそうな行為だ。だがそれでも買ってしまう人はいるだろう。それだけ「GPD Pocket」は魅力的なマシンだ。「何に使うの?」と家族に聞かれたら、目が泳いでしまいそうだが。
「GPD Pocket」はこれに取って代わるか?