スーパーコンピューター「菖蒲」
菖蒲。理研のスーパーコンピューターだ。

省エネルギーかつ高性能なスーパーコンピューターの世界一を決める「Green500」。またも日本が1位になった。理化学研究所(理研)が導入した「Shoubu(菖蒲)」の快挙で、これで3回(18か月)連続のトップだ。

菖蒲は、理研がExaScaler、PEZY Computingと共同で2015年に設置、改良を重ねてきた。スーパーコンピューターの消費電力を抑えるためには、動作中に出る熱をいかにとりのぞくかが大切だが、菖蒲では電気を通しにくい液体の中に本体を直接ひたし、効率よく冷やす方式を採用している。

計算をする性能も高く、1ペタフロップスを超えている。これは「浮動小数点数演算」を1秒間に1,000兆回以上できるという意味で、Green500で1位になったスーパーコンピューターでは初。すでにネコ1匹分の人工小脳をまるごとリアルタイムに処理することに成功しており、人工知能(AI)などの分野でも応用に期待が持てそうだ。

ちなみに菖蒲がトップとして君臨するGreen500は、2007年に米国のバージニア大学が始めたランキング。現在はスーパーコンピューターの性能世界一を決める「TOP500」の新部門。TOP500との違いは、スーパーコンピューターを計算する性能だけではなく、どれだけ省エネルギーかという「環境」の面でも評価している点で、今後さらに重要さが増すと見られている。従来のTOP500では中国が1、2位を抑えて躍進が目覚ましい一方、Green500では日本が1、2位を独占して強さが際立つ、といった状況だ。

菖蒲は消費電力1ワットあたり、6.673ギガフロップス、つまり1秒間に66億7,300万回の演算ができ、中国などの強力な競争相手をしのいでいる。

理研などでは、さらに高い性能と省エネルギー性を両立すべく、改良を続ける考え。