米国 LinkedIn は、同社の運営するビジネス向け SNS「LinkedIn(リンクトイン)」のユーザーを対象として、企業で働く正社員の転職やキャリアに関する意識調査を実施した。それによると、日本のユーザーは世界平均と比べ転職に積極的でない一方、現職に対する“やりがい”をあまり感じておらず、他社の採用担当者から接触があれば前向きに話をしたいという人が多かった。受け身の人が多く、LinkedIn は「転職に対して草食系」と分析した。

仕事を探しているかどうか質問したところ、日本のユーザーは自ら積極的に求人情報を探す人は多くないが、LinkedIn が「転職潜在層」と呼ぶ以下の(3)(4)(5)は8割を占め、特に「採用担当者との話に前向き」が52%と多いことが特徴的だ。


【日本】
(1)積極的に探している:10%
(2)週に数回求人に目を通す:10%
(3)個人の人脈を当たっている:12%
(4)採用担当者との話に前向き:52%
(5)現在の仕事に満足、転職したくない:16%

【世界平均】
(1)積極的に探している:12%
(2)週に数回求人に目を通す:13%
(3)個人の人脈を当たっている:15%
(4)採用担当者との話に前向き:45%
(5)現在の仕事に満足、転職したくない:15%

逆に(1)(2)の「転職積極層」が多かった国は、アラブ首長国連邦(44%)、インド(42%)、インドネシア(29%)、シンガポール(27%)。

日本のサラリーマンは転職に対して「草食系」、現職に不満を持つ人が多い、LinkedIn 調べ
「転職に対して草食系」な日本ユーザー
(出典:LinkedIn)

続いて、現職に対する満足度を調べるため「今の仕事にやりがいを感じていますか」と尋ねた。その結果、日本のユーザーでこの質問に「同意する」と回答した人は77%にとどまり、調査対象国26か国でやりがいを感じていない人が最も多い。

「同意する」と答えた人の多いのは、インド(95%)、マレーシア(94%)、ドイツ(93%)が上位3か国。これら以下も団子状態で続き、日本の1つ上位のトルコは80%ある。

現職に対するこうした意識が色濃く反映されたのは、「新しい仕事に望むこと」という質問だった。転職潜在層が挙げた求める新しい仕事に対する条件は以下の結果となり、“やりがい”を一番に挙げる日本ユーザーの特徴が浮き彫りになった。

【日本】
・やりがいのある仕事:35%
・自分のスキルを生かせる仕事:30%
・給与及び待遇:28%
・ワークライフバランス:26%
・スキルの習得:18%

【世界平均】
・給与及び待遇:43%
・ワークライフバランス:31%
・キャリアアップ/昇進の機会:23%
・やりがいのある仕事:21%
・自分のスキルを生かせる仕事:21%

日本のユーザーは仕事にやりがいを求めている (出典:LinkedIn)
日本のユーザーは仕事にやりがいを求めている
(出典:LinkedIn)

また、キャリア志向性でも地域による相違が現れた。日本のユーザーのうち「強いキャリア志向がある」と答えたのは76%で、世界平均の71%より高かった。興味深いのは、欧州各国のキャリア指向性の低さだ。71%ある英国を除くと、19位のデンマークから最下位のフランス/スウェーデンまで欧州の国々が占めている。これに対し、キャリア志向の高い上位3か国はインド(90%)、アラブ首長国連邦(87%)、南アフリカ(85%)。

【強いキャリア志向がある人の割合(19位から26位)】
・19位:デンマーク(59%)
・20位:イタリア(58%)
・21位:ノルウェー(57%)
・22位:ドイツ(57%)
・23位:フィンランド(52%)
・24位:オランダ(50%)
・25位:フランス(48%)
・26位:スウェーデン(48%)

調査は、LinkedIn ユーザーのうち1万8,219名の就業者を対象に実施した。居住地が日本のユーザーは751名だった。