バーチャルユーチューバーのイメージ

アニメのようなキャラクターが動画共有アプリケーション「YouTube」でゲームの実況をしたり、雑談をしたりしてファンを喜ばせる「バーチャルYouTuber(ユーチューバー)」。続々と数を増し、隆盛を迎えている。たたずまいから10年以上前に流行した「バーチャルネットアイドル」を思い出す人もいるようだ。

ユーチューバ―とは言わずもがな、YouTubeで独自の動画を公開し、広告収入で活動する人物や集団。テレビのかわりにインターネットを駆使する新たな芸能人と考えてもよい。日本でいえばヒカキン氏、海外でいえばkidrauhlこと歌手のJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)氏なども広義には含む。

人気ユーチューバ―の多くはかざらない素顔を画面にうつし、身近にいれば友達になれそうな雰囲気を武器にファンの支持を獲得。スターダムにのし上がってきた。

だが人気バーチャルユーチューバ―はおもむきが異なる。視聴者へ友達のように語りかけるところは同じだが、たいていCGで作った可愛らしい女性の外見に、アニメを連想させる話し方や声色で、むしろ非現実性を強く打ち出している。

名前も「キズナアイ」「ミライアカリ」「バーチャル狐娘YouTuberおじさん」「輝夜月」など漫画やゲームをはじめとするオタク文化に根差しているようすだ。

もともとアニメ風キャラクターによるおしゃべりを楽しむ文化は、YouTubeと別の動画共有アプリ「ニコニコ動画」にもあり、あらためてユーチューバ―風にしたて直したとも言える。ただし人気バーチャルユーチューバ―の大半はデザインから声優、脚本、演出などいずれも商業作品らしい水準にあり、元来のユーチューバ―やニコニコ動画にあった手作り感といささか毛色が異なる。

バーチャルユーチューバ―の淵源をもっと昔に求める人もいる。21世紀初頭に活躍したバーチャルネットアイドルだ。当時まだPCやスマートフォンで動画を視聴する習慣はさほど根付いておらず、多くの人は文章と写真、イラストなどで構成するWebサイトを楽しんでいた。

バーチャルネットアイドルもわざと非現実性を打ち出し、「ちゆ」などアニメ風の名前をつけ、かわいらしい女性のイラストを自画像としてかかげた。それぞれが自らのWebサイトを持ち、愉快な日記を執筆して読者を惹きつけていた。内容は他愛のない日常から社会風刺まで幅広く、若い世代のあいだで話題になってきた。

そうした土壌がある日本ではバーチャルユーチューバ―が流行するのも自然、という見立てだ。真偽はともあれ、長くネットに親しんできた層に懐旧の情をかきたてるのは確かだ。