チタン瓦の五重塔
チタンでできた瓦が五重塔を守る(出典:カナメ)

東京・浅草寺の五重塔がチタン瓦に葺きかわった。風雨や陽射し、寒暖の差に耐え、「半永久的」に保つという強靭な素材だ。

チタン建材は表面に「酸化被膜」という膜が生じてサビたり劣化したりしにくくなる。丈夫なわりに軽く、建物の耐震性も高まる。精錬が難しく希少金属(レアメタル)にも数えられたが、技術の進歩により生産は以前より容易になった。

浅草寺はすでに、本堂や宝蔵門をチタンに葺きかわっており、五重塔はこれに続くもの。

五重塔は1973年に再建した建物で、従来の屋根はアルミ合金瓦を使っていたが徐々にサビが生じたり、軒先の一部に歪みが発生したりして、2011年の東日本大震災では相輪の先端飾りが落下する被害もあった。

そこでチタンで葺きなおすことにした。過去の本堂でも使った色に微妙な濃淡の違いがある3種類の瓦を用意し、無作為に配置して瓦屋根特有の色むらを再現したほか、配色をよりいぶし瓦に近づける改良を施し、美しさを追求したという。

チタン瓦の施工のようす
いぶし瓦に近づけたデザインも特徴(出典:カナメ)

設計・施工は清水建設、チタン材開発製造を新日鐵住金が手掛け、チタン屋根の開発・製造・施工を栃木県のカナメという企業が行った。