iPhone や iPad で日本語の文章が書きやすくなる文字入力システム(IME)。iOS 8 の公開に伴って各社が新製品を投入しているが、この分野で強い存在感をあらわすと思われた Google は「現時点で公表できる情報はない」と消極的な姿勢を示した。

iPhone 版「Google日本語入力」出る?出ない?-- Google いわく「公表できる情報なし」
Google 日本語入力の iOS 版は待ち遠しいのだが

iPhone や iPad を動かす基本システムである iOS。従来は標準搭載の IME 以外は使えなかったが、米国時間9月17日に公開となった新版 iOS 8 から他社製 IME も利用可能になった。iPhone、iPad で仕事のメールや文書を編集するのも当たり前になった今日、日本語に特化した IME の登場を歓迎する声は多い。

特に注目を集めているのは、ジャストシステムの ATOK。語彙の豊かさと漢字かな変換の精度の高さでファンも多く、2014年前半に iOS 版の開発検討を表明するなど積極的な姿勢が話題を呼んでいる。

一方でその強力な競合と目されていたのが、Google の 「Google 日本語入力」だ。検索エンジンの技術を応用して最新の流行語や専門用語を変換できる機能を便利に感じる人は少なくない。すでに ATOK とは PC、Android スマートフォン向け市場でユーザーを奪い合っている。

ところが、Google 日本法人の広報に問い合わせたところ、iOS 版の開発について現時点で公表できる情報はないと消極的な返答。開発検討の有無も明らかにできないとか。事前にティザーサイトまで立ち上げて周知を図っているジャストシステムとは温度差がある。

ATOK はジャストシステムにとって主力製品であり、iOS 版の投入は市場を広げる好機だが、Google にとって Google 日本語入力は幾つかあるプロジェクトの1つに過ぎず、そこまで重視していないのかもしれない。とはいえ、ユーザーにとっては、やや物足りなさも感じる状況だ。

なお、同社は Google 日本語入力について最新情報があれば、従来通りブログや、SNS「Google+」の公式ページなどで報告するとしている。