
2014年5月。中国湖南省の賀亮才さんが10年の歳月をかけて発明したという「電動スーツケース」が話題になった。あれから2年たち、米国シカゴのModobagが「Modobag」を開発。多くの人が憧れた(?)電動スーツケースを、10年かけなくても乗れるようにしてくれた。


スーツケースとしても、もちろん利用できる
「Modobag」は、人が乗って走れるスーツケース型の電動バイク。フットレストやスロットル&ブレーキ付きのハンドルが装備されており、小さいながらも“電動バイク”感覚で走行可能だ。



開発元のModobagは、「Modobag」は便利なだけでなく、走っていて楽しいと主張している。

最高時速は12.8キロ。1回の充電に必要な時間は1時間で、フル充電で最大約9.6キロ走行できるそうだ。
販売ターゲットとされているのは、頻繁に海外出張をするビジネスパーソン。彼らが空港内でよりスムーズに移動できるように設計された。国や地域によっては、空港から市内までの移動にも利用できるという。

(日本では公道走行は許可されないと考えられます)
容量は約33リットル。スーツケースとしてはかなり少なめではあるが、旅慣れたビジネスパーソンであれば、この容量でもなんとか凌げるだろう。

旅慣れた人向き?
USBポートが2つ付属。走行しながら、あるいは空港のロビーで搭乗開始を待ちながら、モバイルデバイスを充電できる。

サイズは高さ約56x幅約36x奥行き約23センチ。本体の重さは約8.6キロで、体重117キロまでの人を乗せて走行可能だ。

Modobagは現在「Modobag」の市販化に向けてクラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、995ドルの出資でSuper Early Bird版の「Modobag」を1つ入手可能だ。出荷は2017年1月。市販価格は1,400ドルになる予定。

ところで、日本の航空会社は「Modobag」を受託手荷物として受け付けてくれるだろうか?航空各社に尋ねたところ、現時点では情報が不足しているため明確な判断はしかねるとのことだった。またModobagに対して「Modobag」に内蔵されるバッテリーの仕様について問い合わせたところ、バッテリーは世界一厳しい国連の要求基準を満たしている、との回答を得た。だが日本の航空各社が要求している、“バッテリーのリチウムイオン含有量が2グラムを超えていないこと”、などの諸条件を満たしているかとの再質問に対しては、本稿執筆時点ではまだ返信はない。最悪の場合、「Modobag」は航空機内には持ち込めない旅行用スーツケースとなってしまうのかもしれない。
また、日本では公道走行の許可を得るのも困難だろうと考えられる。「Modobag」の利用は許可された私道内に、例えば大学のキャンパス内移動や、企業の倉庫内移動などに限定されそうだ。入手されたい方は、このあたりを確認された上で出資されたい。
