
3月26日から正常な通信がとだえた日本の天体観測衛星「ひとみ」。心配が広がるなか、実際に観測してようすを確かめてみようという呼びかけもTwitterで出ている。
ひとみは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星。最新のX線望遠鏡を備えている。
暗黒エネルギーや暗黒物質(ダークマター)の支配のもとで宇宙最大の天体である銀河団ができあがった過程や、多数の銀河の中心に君臨する巨大ブラックホールの生い立ちなどを調べる、壮大な目的がある。
2月に無事H-IIAロケットでの打ち上げが成功し、おおいに祝福を受けた。ところが3月26日に衛星からの電波を正常に受信できなくなった。
さらに米国の国防総省戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)は、宇宙空間にあるひとみの周囲に複数の物体が散っているとTwitterで報告した。
JSpOC ID’d 2 breakups: SL-12 R/B(33472) @~0145z, 27Mar?21 pieces. ASTRO H(41337) @~0820z, 26Mar?5 pieces. Events not related. @SpaceTrackOrg
— JSpOC (@JointSpaceOps) 2016年3月27日
一時は、ひとみが何かと衝突して粉々になったのではないかと不安も広がったが、しかしその後JAXAは、短時間ではあるが衛星からの電波を受信できたとして、復旧に努める姿勢をあらためて示した。
Twitterでは、実際に観測して確かめてみようという呼びかけも出ている。可視状態で衛星が空を通る時間帯を確認できるWebサイト「HEAVENS ABOVE」などを参考に確かめられるという。

明るさやまたたきなどから何かがあったことをうかがい知れるだろうか。