ホンダは「旅行時間表示サービス」の提供を2021年8月に開始した。渋滞路・迂回路通過の所要時間を表示してドライバーに迂回を促し、交通量を分散して渋滞を低減するのを目的としたサービスで、自治体などを対象に有償で提供する。

「旅行時間表示サービス」概要

「旅行時間表示サービス」では、ホンダ車からリアルタイムで集まる走行データを活用し、渋滞路・迂回路の通過にかかる時間を計算する。そして、算出された渋滞路・迂回路それぞれの所要時間を、ルート分岐地点の手前に設置した表示機に表示し、ドライバーに知らせることで、迂回路の選択を促す。これにより交通量が複数のルートに分散され、渋滞を低減する効果が期待できる。


特に、目的地まで複数ルートが存在し、そのルートの一方が渋滞、一方は空いているなど交通量に偏りがある場合にこのサービスは効果が期待できる。

実証実験の結果

ホンダでは紅葉シーズンになると激しい渋滞が発生する栃木県日光市で、国道119号線の渋滞緩和を目的として「旅行時間表示サービス」を用いた実証実験を実施したという。


この実証実験の結果、春日町交差点から日光山内入り口までの最長所要時間が2019年の171分に対し、2020年の対策実施時には同等の交通量ながら85分と半減した。

また、渋滞ルートの所要時間表示が長くなるほど迂回が促されて渋滞が低減し、シーズン中の最大渋滞長は2019年の約3.7kmに対し、2020年の対策実施時には約2.3kmまで短縮された。渋滞が解消する時刻も平均で2時間以上早まった。


ホンダは「旅行時間表示サービス」の2021年秋の活用開始に向けて、準備を進めているとしている。