NTT ドコモ(ドコモ)は、世界主要ベンダー6社と協力して、通信混雑時における通信のつながりやすさを向上させる「ネットワーク仮想化技術」の実用化に向けた実証実験に成功した。

ドコモは、今回の実証実験で、アルカテル・ルーセント、シスコシステムズ、エリクソンファーウェイ日本電気(NEC)ノキアソリューションズ&ネットワークスの6社と協力し、ソフトウェアと仮想的なハードウェアが、異なるベンダーの組み合わせにおいても動作することを確認した。

「ネットワーク仮想化技術」とは、通常特定のハードウェアでしか動作しないソフトウェアを、仮想的なハードウェア上で動作させる技術。この技術は、災害などが原因で起きた通信混雑時に通信のつながりやすさを向上させ、通信設備が故障した時にも通信サービスを継続できるようにする。加えて、新たな通信サービスを迅速に提供できるほか、設備投資の効率化も見込めるという。

今回の実証実験では、LTE のデータ通信機能を担う EPC(Evolved Packet Core)に「ネットワーク仮想化技術」を適用し、ソフトウェアと仮想的なハードウェア(ハードウェア、仮想化レイヤ、仮想化管理システム)が、異なるベンダーの組み合わせでも動作することを確認した。具体的には、以下2つの機能に関する動作を確認した。

1つは、通信混雑時に、通信設備の処理能力を増大させる機能。この機能は、ユーザーが利用するデータ通信量に応じて、通信設備の処理能力を増やす機能。LTE データ通信量が増加した通信設備が、通信量増加の通知を送信する。通知を受信した仮想化管理システムが、他の通信設備の追加制御を行う指示を出す。

そしてもう一つは、ハードウェア故障時にも安定的にデータ通信を継続する機能。この機能は、通信設備が故障した際に、自動的かつ短時間で別の通信設備で予備構成を再構成し、データ通信を安定的に継続する機能。故障した通信設備の障害を、その通信設備を管理する仮想化管理システムが検出し、別の通信設備への切替制御を行う。

ドコモ、ベンダー6社と「ネットワーク仮想化技術」を実証、2015年に実用化を目指す
「ネットワーク仮想技術」構成図

この実験の成功により、通信事業者は通信設備を構成するハードウェアおよびソフトウェアを自由に組み合わせてシステムを構築できるようになる。

また、ドコモは9月に発足した Open Platform for NFV で、世界の主要な通信事業者やベンダーと協力し、オープンソースを利用した仮想化プラットフォーム作りを進め、2015年度の商用化を目指すという。

EPC は、LTE をはじめとした多様な無線アクセスを収容し、ユーザーの認証や移動しながらもデータ通信が継続するための移動制御、課金機能などを提供する通信設備。

Open Platform for NFV は、ネットワーク機能の仮想化プラットフォームのリファレンス実装とオープンソースの公開を目的として発足したプロジェクト。