日本の固定ブロードバンド回線によるインターネットサービスは、契約数の伸びが頭打ちになる一方、通信量は拡大の一途をたどっている。総務省の推計によると、5月時点で月間ダウンロード(下り)通信量は約 2.9T(テラ)bps にのぼり、前年の同じ月に比べ27.1%増えた。

日本のブロードバンド通信量、月間2.9T(テラ)bpsに到達--前年から3割増、拡大の一途
固定・モバイル回線の月間データ通信量(総務省のデータをもとに作成

総務省では、毎年5月と11月に日本の固定回線による通信量を調査している。主要ネット接続サービス事業者(ISP)6社と、ネットエクスチェンジ(IXP)5団体、研究者から協力を得てのことだ。

総務省の推計値の算出方法は次の通り。まず ISP 6社の通信量を合計し、それを同6社の固定回線市場における契約数シェアの合計で除して(割って)算出する。

今回発表になったのは2014年5月の調査結果。この月の下り通信量は 2,892Gbps。5年前の2009年5月に比べると、2.6倍に拡大している。

2014年5月のアップロード(上り)通信量は推定で約 905Gbps。こちらも前年同月に比べ17.5%増だが、下りのような一本調子の伸びという訳ではない。5年前に比べ約1.2倍程度にとどまっている。

総務省が別途まとめた固定回線の契約数と比較すると、契約数の伸びは鈍化傾向にあるにもかかわらず、1契約あたりの下り通信量は拡大の一途をたどっているのは興味深い。

契約数と1契約あたりの下り通信量(総務省のデータをもとに作成)
契約数と1契約あたりの下り通信量(総務省のデータをもとに作成)

ちなみにモバイル回線の通信量は2014年6月時点で下りが 621Gbps、上りが 86Gbps。それぞれ前年同月に比べ47.9%増、75.5%増となっている。