「MOKE」は、70年代のモペッドをイメージした電動アシスト自転車。ロングシートを搭載し、二人乗りを可能にしている。
開発したのは、地中海に浮かぶマヨルカ島に位置するスペインの都パルマ・デ・マリョルカに住むチーム。彼らは、この地での暮らしに適した機能を「MOKE」に盛り込んだ。
「MOKE」の原型を作ったのは、テクニカルマネージャのPhillipさん。彼は、ビーチで遊ぶ子どもたちを迎えにいくために、Phillipさんのほか、2人の子どもと多くのビーチグッズを搭載できる、ロングシートと荷台を取り付けた。また最大積載量を、180キロに設定。これに耐えるフレーム設計とした。
Phillipさんの作った「MOKE」の原型は、その後チームメンバーの手によってブラッシュアップされ、現在の姿となる。
「MOKE」本体の重量は26キロ。子ども2名と大人1名、それにビーチグッズを合わせると、全体の重さは200キロを超えることもある。この車体を安全に止めるため、ハイエンドのディスクブレーキを採用した。
車重が200キロを超えれば、人力だけでペダルを漕いで前進するのは難しい。「MOKE」の後輪にはハブモーターが取り付けられ、パワフルに搭乗者をアシストできるようになった。
ビーチを走ってもタイヤが滑ることがないよう、太さ4.25インチのファットタイヤを装備。この20インチタイヤは、都市部走行時の段差越えなどにも力を発揮する。
より魅力的なルックスとするため、ヘッドランプには大型のものが取り付けられた。このヘッドランプはロングシートともあいまって、70年代モペッドの雰囲気を醸し出すことに貢献している。
バッテリーはシートの下から簡単に取り外せる仕組み。バッテリーは最大2個まで装着可能だ。航続可能距離はバッテリー1個では最大40キロだが、2個では80キロとなる。
これらの改良により、ビーチへの子どもの送り迎え用自転車だった「MOKE」は、クールなルックスを持つ、都市部での使用にも合うモペッドに仕上がった。
チームはすでに「MOKE」をレンタルしたり、注文を受けて生産したりしているが、「MOKE」を世界市場で販売するため、クラウドファンディングサイトIndiegogoでのキャンペーンを開始した。キャンペーンに成功した場合、現在のようにハンドメイドでの生産ではなく、島外の工場で生産することになるという。
本稿執筆時点では、1,799ドルのEarly-Bird SPECIALはすでに売り切れているが、1,990ドルのEarly Campaign SPECIALを入手可能だ。出荷は2017年7月に予定されている。
日本で「MOKE」に乗る場合には、方向指示器やミラーなどの保安部品を取り付け、ナンバーを取得しなければならない。また、保安部品を取り付けても、必ずしもナンバーを取得できるとは限らない点には注意が必要だ。