ペダル無しキックバイクというと子ども用と思う人がほとんどでしょう。でも、「Laufrad」は高齢者向けのキックバイク。ドイツSollsoが開発して販売しています。
膝の痛みを抱える高齢者の移動手段は限られています。歩行器を使う人もいますが、その移動速度は遅いので、移動可能な範囲は狭くなってしまいます。
「Laufrad」はより高速での移動を目指して開発されたキックバイク。フレームサイズは大人向けで、ハンドルバーとサドルは高さが調節できるため、最適な姿勢で乗ることができます。また、体重はサドルとハンドルにかかるため膝に負担がかからず、痛みをあまり感じることなく走行できます。
一般的な自転車との違いはペダルが無いこと。高齢者が自転車に乗ると聞くとスピードに対応できるのかが不安という人も多いでしょう。でも、「Laufrad」は足で地面を蹴って前進するためにコントロールできる範囲のスピードしか出ず、ある程度の安全を確保できます。また、前後にVブレーキを装備していて、足蹴りで走行するようなスピードであればしっかりと制動します。
フレームとフォークの素材はなんとカーボンファイバー。重さはわずか5.2kgなため、力が落ちつつある高齢者でも楽に取り回しができるようになっています。
オプションとしては様々な種類のバスケットを用意。免許返納後の買い物をサポートします。
「Laufrad」はすべての高齢者にフィットするわけではありません。人によっては利用が危険なこともあるかもしれませんし、そもそも自転車に乗れない人にはおススメできません。
とはいえ膝の悪い高齢者の移動手段が車いすや歩行器のみというのは、もはや時代遅れなのかも。高齢者であっても、楽しく高速で移動できる手段が多様に用意されるのは良いことと思えます。
「Laufrad」のドイツでの価格は780ユーロ（約10万5,000円）となっています。