オランダの自転車メーカーVanMoofの配送用ボックス

一見、大型テレビ用の配送用ボックスに見えるこのダンボール。内部には自転車が収納されている。これにより、宅配時の自転車に対するダメージを減らそうという試み。

この配送用ボックスを採用したのは、オランダの自転車メーカーVanMoof。同社は、“電動アシスト”に見えない電動アシスト自転車の販売で人気がある。バッテリーをダウンチューブに隠し、モーターには小型の前輪ハブタイプを採用したことで、電動アシストに見えないルックスを実現した。

VanMoofの電動アシスト自転車
オランダの自転車メーカーVanMoofによる電動アシスト自転車

VanMoofの電動アシスト自転車
バッテリーをダウンチューブに隠し、モーターには小型の前輪ハブタイプを採用した

今回話題になっている配送用ボックスは、VanMoofが公式ブログで明らかにしたもの。「Our secret's out.」と題された9月6日の投稿によれば、同社は8年前にこのビジネスに参入して以来、多くの宅配業者に自転車の配送を依頼してきたという。だがどの業者に依頼しても、自転車には傷やへこみ、ゆがみができてしまい、そのたびにVanMoofは返品・交換に応じてきたそうだ。

返品・交換の増加はVanMoofのコスト増を招く。また、購入者の不満も募っていたという。この問題を解決したのが、配送用ボックスに大型テレビのイラストを入れるというアイディア。今年初め、同社の共同創業者であるTies氏が思いついたものだ。

オランダの自転車メーカーVanMoofの配送用ボックス
大型テレビのイラストを入れたVanMoofの配送用ボックス(画像出典:VanMoof)

大型テレビの配送では、到着時にテレビが傷だらけだったといった問題はめったに起こらない。配送業者が丁寧に運ぶためだ。では自転車用の配送用ボックスに、テレビのイラストを入れれば、中に入っているのが自転車でも、丁寧に運んでくれるのではないか?これが、Ties氏が思いついたアイディアだった。

幸い、VanMoofの自転車用配送ボックスのサイズは、大型テレビの配送用ボックスとほぼ同じ。このため、イラストを入れても違和感はなかったという。そして新しい配送用ボックス採用後、配送時のダメージ発生率は70~80%減少したそうだ。

VanMoofは、この仕組みを秘密にしようと考えていた。だが、米国メディアThe Wall Street JournalのJason Gay氏がTwitterにこの配送用ボックスの画像を「天才的なアイディアをお知らせ」として投稿。その投稿を数多くの欧米のメディアが取り上げたことで、世界に知られることになった。


VanMoofはこの秘密が明らかになってしまったことについて、ブログで「FedExには知らせないでくれ」と述べている。