「トリップバロメーター」は、トリップアドバイザーが年に2回発表する、旅行者の消費動向や各国の特徴、 旅行の計画の立て方の違いなどの把握を目的とした調査。
今回の調査では、スマートフォンを使って旅行の計画を立てたり、予約したりする人々を「スマホトラベラー」と呼び、その行動や習慣を分析した。
調査によると、「トリップバロメーター」に回答した旅行者全体の42%が「スマホトラベラー」。そのうち、日本人旅行者では38%が「スマホトラベラー」だが、旅行者全体の平均、42%より低い。また、「スマホトラベラー」が最も多いのはタイと中国で、その割合は65%に上る。
旅行者全体に、直近の旅行の宿泊施設の予約経路を聞いたところ、「オンライン」が全体の67%を、「モバイルアプリ」が8%を、「オフライン」が25%を占めた。アプリ経由の予約は、昨年の4%から倍増している。また、「オンライン」予約のうち6%が、スマートフォン経由で宿泊施設を予約した。
![]() |
「オンライン」が全体の67% |
それでは、宿泊施設は、スマホトラベラーのニーズにどこまで対応しているだろうか。
宿泊施設からの回答と照らし合わせて比較すると、ニーズに追いついていない項目が明らかになった。「充電器」のニーズは高いものの、 実際に対応している宿泊施設は35%。「旅先でアクティビティなどの予約ができるアプリ」を提供しているのは16%、「SIMカードや携帯電話の一時貸し出し」に対応している宿泊施設はわずか7%。
「スマホトラベラー」が求めるモバイル周りのサービスに、宿泊施設はまだ対応しきれないのが現状のようだ。
![]() |
「スマホトラベラー」が求めるモバイルサービス |
この調査は、Ipsosがトリップアドバイザーの委託を受け、1月16日〜2月2日に実施した。
対象国・地域は、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、西インド諸島、中国、エジプト、フランス、ドイツ、ギリシャ、インド、インドネシア、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、ヨルダン、マレーシア、メキシコ、モロッコ、ニュージーランド、ポルトガル、ロシア、南アフリカ、スペイン、スイス、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、米国の、世界7エリア32か国と地域。
対象者は、旅行者3万4,016名、宿泊事業者1万261名、合計4万4,277名。うち日本人回答者は2,169名 (旅行者2,001名、宿泊事業者 168名)。前回の調査結果と整合性を図るため、調査データには世界のオンライン人口比が、全体、および各国・地域別にも加重されている。