IDC Japan は、国内ネットワーク機器市場における2014年上半期の実績と2018年までの予測を発表した。2014年上半期は、移動体通信事業者の LTE 設備への継続的な投資と企業の設備投資の堅調さにより、2013年下半期に続き好調だったという。

2014年上半期も好調な結果--IDC、国内ネットワーク機器市場の分析結果を発表
2014年上半期の国内ネットワーク機器市場は好調だった

2014年上半期は、通信事業者向け市場、企業向け市場のいずれも好調で、通信事業者向け市場規模は2010年以降最大の801億5,600万円、企業向け市場も2番目に大きい984億100万円に達した。製品分野別では、ルーター市場と企業向け無線 LAN 機器市場が大きく成長し、前年同期比成長率はそれぞれ22.3%、23.5%。また、イーサネットスイッチ市場も前年同期比成長率6.4%と堅調に成長した。

ベンダーシェアはいずれの市場も総じて大きな変動はないが、LTE の基地局展開に関わるイーサネットスイッチ需要が堅調な日立金属や NEC が、通信事業者向けイーサネットスイッチ市場でシェアを伸ばした。NEC は企業向けルーター市場においても、大型案件の受注によりシェア増加に成功している。

今後の国内ネットワーク機器市場については、2014〜2018年にかけて上昇基調が続く見通し。ルーター(コンシューマー向けを除く)、イーサネットスイッチ、企業向け無線 LAN 機器を合計した市場規模は、2018年に3,905億4,200万円にまで拡大し、2013〜2018年の年間平均成長率は、2.9%と緩やかな成長を続けると予測している。企業向け市場では、データセンター向けイーサネットスイッチと一般企業向け無線 LAN 機器市場が成長をけん引。通信事業者向け市場では、LTE サービスの広帯域化に伴う設備増強需要と次世代ネットワークサービスへの投資が鍵となる。

IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、企業向けネットワーク機器ベンダーについて、「企業ネットワークをより効率化し使いやすく、かつ強固にする企業ネットワークの『モダン化』を、積極的に顧客に推進すべきである。幅広いユーザーにネットワーク技術の進化とそのメリットを享受してもらうことは、企業のネットワーク活用を一段引き上げ、さらにはネットワークに対する投資に積極性を与える」と述べている。

同発表の詳細は、IDC が発行したレポート「国内ネットワーク機器市場 2014年上半期の分析と2014年〜2018年の予測アップデート」(J15010101)に報告されている。