VAPRプログラムの目標は、戦闘の後に残されても、敵対者に見つからないように消滅する電子製物質の開発だ。
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羽より軽いドローン?(出典:DARPA) |
VAPRプログラムでは、構造的に健全な、一時的な物質を開発しており、その中には、直接固体から気体に昇華する小さなポリマーのパネル、使用後すぐに超微細粒子に粉砕される、高圧内部構造の電気をおびたガラスのひもがある。
「イカロス」は、ギリシャ神話の物語のひとつを暗示すると同時に、「Inbound(内向きの) Controlled(制御された)Air-Releasable(空気に開放できる)Unrecoverable(回復不能の)Systems(システム)」の略でもある。ギリシャ神話のイカロスは、あまりに太陽の近くを飛んだため、翼が分解して消滅し、海に落ちて死んでしまうが、DARPAの「イカロス」プログラムでは、消滅したその軽い物質を真似ることを計画している。
ドローン自体の消滅は、敵に発見される恐れがないと同時に、輸送任務から部隊を解放するという利点もある。部隊は、食物や痛みやすいワクチン、インシュリン、血液、血漿製品を、地震あるいは津波のために、孤立した場所に運ぶよう要請されるとしよう。いったん配送任務が完了し、それらを配送したドローンが消滅し、それについて一切忘れることができれば、輸送の任務から部隊は解放されるのだ。
2015年10月9日付のBAA(DARPAの公示)によると「イカロス」では、26か月続く、総予算800万ドルの、2段階のプログラムが予定されている。