気象庁は8月15日、鹿児島市の桜島の噴火警報を、レベル3の「入山規制」からレベル4の「避難準備」に引き上げた。

気象庁からの要請を受けた宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」による桜島の緊急観測を実施、その観測データを、国土地理院や関連防災機関に提供した。また、JAXAでも独自に干渉SAR解析を行い、地殻変動分布の抽出を試みた。

JAXAの干渉SAR解析によると、1月4日と8月16日のデータを比較した結果、桜島の南岳山頂火口の東側の広い範囲(白枠部分)で、最大で16センチ程度の衛星方向に近づく変位があったことが確認された。

桜島をJAXA「だいち2号」が緊急観測
「だいち2号」による桜島の干渉SAR解析画像(JAXA解析)

「だいち2号」に搭載された合成開口レーダーは、2回の観測データの差をとることで、地表の変位(地面がどれだけ動いたか)を測定できる。この解析方法を干渉SAR解析と呼ぶ。色は2回の観測での差を表し、地表が衛星に近づくほど緑→赤→青→緑、衛星から遠ざかるほど、緑→青→赤→緑の順に色が現れる。