産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門シリコンナノデバイスグループの研究員らは、トンネルトランジスタの高性能化と長寿命を実証した。従来の電界効果トランジスタ(MOSFET)に比べ、10万倍以上も長寿命だという。

長寿命/高性能のトンネルトランジスタ登場、センサー回路のコスト削減に期待
トンネルトランジスタと電界効果トランジスタの長期寿命の比較

さらに、トンネルトランジスタを大規模なセンサーネットワーク回路の駆動に使用することで、現在主流である MOSFET から構成された回路よりも小さな電圧の電源で動かす方法を開発した。

MOSFET およびトンネルトランジスタのオン・オフ動作の違い
MOSFET およびトンネルトランジスタのオン・オフ動作の違い

センサーネットワーク回路は、医療や防犯などのさまざまな分野で、常時の検査/監視に利用されており、センサーの省電力化と長寿命化が求められていた。センサー回路の構成パーツを MOSFET からトンネルトランジスタに置き換えることで、センサー回路の設置や維持のコストを大幅に削減することが期待されるという。