NIMS 先端的共通技術部門の宮崎剛グループリーダーと英国 University College London, London Centre for Nanotechnology の Dr. David Bowler からなる研究チームは、従来に比べ2桁以上多くの原子数を扱える大規模な第一原理シミュレーション手法の開発に成功した。これにより、生体分子やナノ構造物質などの複雑な物質に対する原子・電子シミュレーションができるようになる。

NIMS、巨大分子の第一原理シミュレーションの実現
NIMS、巨大分子の第一原理シミュレーションの実現

同研究チームは、極めて高い精度で数値計算ができる新たな技術を導入し、理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」や東京大学のスーパーコンピュータ FX10を用い、従来に比べて2桁ほど上まわる3万原子を越える巨大系に対して、第一原理シミュレーションを行うことに成功した。今回の成功により、将来百万個の原子・電子シミュレーションへの目処が立ったという。


第一原理シミュレーションは、従来の理論では、複雑かつ大規模な数値計算が必要となり、計算できる系のサイズが極めて小さい(通常数百原子程度)という問題があった。

今後、この研究手法による大規模シミュレーション手法を用い、計算不可能であった巨大生体分子やナノ構造物質の原子・電子の振る舞い、複雑な界面における欠陥や不純物の制御方法などを理論研究で明らかにしていくそうだ。これらの研究は今後、創薬や次世代デバイスの開発に役立つと期待される。

この研究成果は『Journal of Chemistry Theory and Computation』誌の2014年12月9日発行号(Vol. 10 issue 12、DOI:10.1021/ct500847y)に掲載される。