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ニコンが開発した独自の目盛読取り方式による誤差低減技術と、産総研が開発したレーザー干渉を利用した正確な目盛の誤差の評価技術とを組み合わせることによって、このリニアエンコーダーでは、1 nm 以下の誤差を実現した。今後、半導体素子や光学素子の加工精度の向上への貢献が期待できるそうだ。
成果の詳細は、米国ボストンで開催される「29th Annual Meeting of the American Society for Precision Engineering」(ASPE)で発表される。
IT 機器に組み込まれる半導体素子や光学素子の精密加工では、近年、加工技術の微細化と、それを支える精密な長さ測定技術が必須となっており、リニアエンコーダーは、精密な長さや位置の測定を実現する有効なツールとして、加工機械などに組み込まれ、広く普及している。
リニアエンコーダーは、表面に刻線のある基板と読取り装置との組み合わせで、長さや位置を非常に正確に測定できる。表面に刻線のある基板には数マイクロメートル(μm、1 mmの千分の1)〜数十μm の間隔で凹凸の刻線があり、その間隔を読取り装置で読取り、さらに電気的に等間隔に分割することで高分解能の目盛を得ている。これらの目盛は、これまでナノメートルオーダーの誤差は避けられなかった。しかし、半導体素子や光学素子などに要求される加工精度が年々高まっているため、目盛の誤差を1 nm以下に抑えることが求められていた。