NASA の火星探査機 Opportunity(オポチュニティ) は、10年以上にわたって火星で探査を行っている。もう1台の火星探査機 Spirit(スピリット)と一緒に火星に着陸したのは、2004年初頭だった。そして、ミッションはわずか3か月で終わる予定だった。

しかし Spirit は、今は休眠状態だが6年間働いた。Opportunity に至っては今も活動している。火星には昔、湿った環境があったことがわかったのは、この2台の探査機の功績によるものだ。

その Opportunity も最近、コンピュータの再起動回数が増加したことから、NASA 探査機チームは、探査機のフラッシュメモリの再フォーマットを計画している。(NASA 公式ブログ

フラッシュメモリは、電源がオフになっていてもデータを保持できるので、写真や歌をスマートフォンやデジタルカメラに格納するのに使われたりしているが、メモリセクターの各セルは、繰り返し使用していると擦り切れてしまうのだ。そこで、再フォーマットでメモリをきれいにしつつ、悪くなったセルを特定し、それらを避けられるよう印をつけるのだ。

「フラッシュメモリの擦り切れたセルは、再起動をひき起す主要な容疑者だ」、とカリフォルニア州パサデナにある  NASA の Jet Propulsion Laboratory(JPL:ジェット推進研究所)の John Callas 氏は語る。

「フラッシュの再フォーマットはリスクの低い処理だ。重要なシーケンスと飛行ソフトウェアは探査機のほかの不揮発性メモリのどこかに格納されているからだ」

再フォーマットは9月初めに予定されているが、Opportunity にとっては初体験である。しかし、探査機が JPL から現在約1億2,500万マイル(約2億キロメートル)離れていても、探査機チームは再フォーマットを実行できるそうだ。

火星探査機オポチュニティ、NASA がフラッシュメモリを再フォーマット
オポチュニティが目にしている火星の光景