「セグウェイ」の発明者が率いる「DEKA」が、米国防高等研究計画局(DARPA)の資金援助を受けて完成させた、脳からの複数の指令に反応できる義手「DEKA Arm System」が、米国食品医薬品局(FDA)によって承認された。10種類の動きをこなす上、重さは大人の腕と同程度と、人の自然な動きに近づいている。今後、商業化される見通しだ。

電気信号でより自然な動きに、新たな義手の製造が米で承認
新しい義手「DEKA Arm System」

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小さなものも、しっかりつまめる

同製品は、筋電図の電極から送られた電気信号によって、同時に複数の動きを行えるようにしたもの。義手の近くの筋肉の収縮が引き起こした電気活動を察知し、電気信号を義手の中のプロセッサに送る。その電気信号を特定の動きに読み替えて動く仕組みだ。また、使用者の足につけたセンサーからのシグナルを無線で読み取るなど、その他にも多くの種類の生体情報を処理して成り立っているという。

実際に利用している様子

臨床試験によると、90%以上の試験者が、同製品を使って、現在の他の義手ではできないような動きができたという。具体的には、鍵をかけてロックしたり、ご飯を用意したり、自分で食べたり、ファスナーを開けたり閉めたり、髪をとかしたりなどだ。

この義手は、肩関節、上腕、または下腕から失われた手には設定できるが、肘関節や手関節から失われた手には設定できないという。