律宗総本山 唐招提寺と凸版印刷は、唐招提寺の開祖 鑑真和上の半生を描いた「東征伝絵巻」の完全デジタル化を実施。製作したデジタル絵巻コンテンツを、唐招提寺境内 新宝蔵にて特別公開する。公開期間は10月21日から11月3日まで。

延べ83mの絵巻を完全デジタル化--唐招提寺が特別公開を実施
絵巻全体を1度に鑑賞可能に

唐招提寺が所蔵する「東征伝絵巻」(全5巻)は、延べ83メートルにおよぶ重要文化財の絵巻(2004年から2010年に修復)。日本に仏教の戒律をもたらし、唐招提寺を建立した唐の名僧 鑑真和上の半生が描かれている。

完全デジタル化では、凸版印刷が開発した文化財専用の大型オルソスキャナーにより、高精細なデジタルアーカイブ化を実現。精確な色彩で歪みのない正射投影画像を取得することで、97分割してアーカイブしたデータを正確につなぎ合わせることができる。

特別公開では、取得データを用いて製作したデジタル絵巻コンテンツ「東征伝絵巻 鑑真和上 辛苦の旅路と信念を描く」を、超短焦点4Kプロジェクタで140インチスクリーンに投影する。絵巻全体を1度に鑑賞したり、場面を選択、拡大したりするなど、通常の展示では難しい鑑賞方法を楽しむことが可能。テキスト情報や地図情報なども重ねて表示するそうだ。

特別公開期間は10月21日〜11月3日9時〜16時30分(予定)、公開場所は唐招提寺境内 新宝蔵。入蔵料のほかに唐招提寺拝観料が必要。