Google アナリティクスリマーケティングや Yahoo!タグマネージャーのイベントハンドリング等の普及により、年々リターゲティングの精度が高まっていると感じる方も多いかと思う。そのような趨勢に伴い、2014年12月、YDN のサイトリターゲティングの、ターゲットリストに関する4つのアップデートが発表された。それにより、これまで以上に多様なターゲティングが可能になったことは皆さまも知るところだろう。操作性はもちろん、ターゲットリストの質の向上、運用効率も改善されており、YDN のサイトリターゲティングは大きく機能が強化された。

追加されたYDNのサイトリターゲティング機能は、
(1)ターゲットリストの条件に「参照元 URL」を追加
(2)ターゲットリストの「除外設定」機能を追加 
(3)ターゲットリストの登録上限数の引き上げ
(4)ターゲットリスト管理の画面変更
以上の4機能である。


機能追加に伴い、ターゲティングの見直しをしたいと考えているものの、新たな活用方法に迷っている方も多いのではないだろうか。

そこで、本コラムでは、YDN のサイトリターゲティングの新機能の1つである「(1)ターゲットリストの条件に『参照元 URL』を追加」を主に取り上げ、「参照元 URL」の活用方法について詳しくお伝えしたい。

「参照元 URL」は「除外設定」と比較して運用 Tips が少なく、活用イメージが思い浮かばないというケースも多いだろう。だが、上手く活用できればターゲティング対象が増大され、サービス拡大・コンバージョン増加の一助となるだろう。

■他社 Web サイトの URL の活用方法

今回の機能追加により、YDN で参照元 URL のターゲットリストを蓄積できるようになったので、その蓄積したターゲットリストを活用しよう。

Yahoo!アクセス解析、Google アナリティクス等の解析ツールを利用している場合、コンバージョンにあまり結びつかない参照元、逆にコンバージョンが多い参照元を把握できる。各参照元のターゲットリストを蓄積することで、成果の良い参照元に対してはリターゲティングを配信、成果の悪い参照元は除外設定することが可能だ。

また、検索結果ページを参照元に設定することで、“このページを訪問する直前にどんなキーワードで検索をしていたのか”という、これまでになかった視点でリターゲティングのシナリオを設計できるようになる。

例えば、ブランド名(社名、サービス名)で検索して Web サイトに流入してきたユーザーをリターゲティングしたい場合、ブランド名の検索結果ページの URL を参照元として登録すると、該当 URL のターゲットリストを蓄積できるようになる。また、そのターゲットリストに対してコンバージョンしたユーザーのターゲットリストを除外する組み合わせターゲットリストを別に作成することで、“ブランド名で検索後、Web サイトに流入したもののコンバージョンに至らなかったユーザー”に対してのみ、リターゲティングすることが可能になる。

ブランド名で検索するユーザーはサービス内容にある程度理解があり、コンバージョンへのモチベーションも高いことが想定される。そのため、これらのユーザーをリターゲティングすることで、確度の高い見込み顧客の獲得に貢献できるだろう。

ブランド名でなくても、売り出したい商品名やコンバージョンのシェアを占めているキーワードがあれば、そのキーワードの検索結果ページを参照元として登録し、組み合わせターゲットリストを使ってコンバージョンしたユーザーを除外設定してみよう。

既存のリターゲティングでは、どのキーワードで検索して Web サイトに流入したユーザーも切り分けることなく広告を配信していたが、検索結果ページを参照元に設定し、更には追加機能である除外設定も併用することで、“直前で検索したキーワード”という視点でユーザーのモチベーションを分割できるようになった(ただし、https の場合は除く)。コンバージョンへのモチベーションが高いユーザーに対して広告の配信を強化することで、見込み顧客獲得が期待できる。

■自社 Web サイトの URL の活用方法

他社 Web サイトのみではなく、自 社Web サイト内の解析データも活用しよう。

例えば、ファッション系のECサイトの場合、特定商品の商品詳細ページに訪れる経路は、下記のように複数のパターンが考えられる。また、同じページに訪れるユーザーでも直前に見ていたページによって、モチベーションの違いが見て取れる。

「参照元 URL」を活用したリターゲティングシナリオ設計〜 Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)のサイトリターゲティング新機能活用のために〜
モチベーションの違いによる様々な流入経路

例1:セール商品の一覧ページ → 商品詳細ページ⇒「安い商品が買いたい!」
例2:ブランドのTOPページ → 商品詳細ページ⇒「このブランドの商品が買いたい!」
例3:人気商品ランキングページ → 商品詳細ページ⇒「いま人気の商品が買いたい!」

参照元 URL として、例1のセール商品の一覧ページ、例2のブランドの TOP ページ、例3の人気商品ランキングページ、を個別に登録し、商品詳細ページへ訪問したユーザーのターゲットリストとそれぞれ掛け合わせることで、例1の場合はセール訴求、例2の場合はブランド訴求、例3の場合は人気アイテム訴求、というように、ユーザーのモチベーションに沿った広告文を配信することが可能になる。ターゲットリストを有効活用した、ユーザーの細かなモチベーションの違いを汲んだ広告の出し分けや、入札の強弱をつけることで、CVR(コンバージョン率)の改善・CPA(Cost Per Acquisition: 顧客獲得単価)最適化も期待できる。

今回は、YDN のサイトリターゲティングの新機能「参照元URL」にフォーカスし、活用例を紹介した。“どういった経路でページに流入してきて、どのようなモチベーションを持ったユーザーか”という新しい視点から、現在のリターゲティングの配信シナリオを見直してみてはどうだろうか。これまで以上に精緻なターゲティングで、更なる配信拡大・成果改善を目指していただきたい。

執筆:株式会社アイレップ  第2コミュニケーション本部 松浦絵里
記事提供:アイレップ