JAF(日本自動車連盟)は、歩行中や自転車乗車中のスマートフォン操作(いわゆる「ながらスマホ」)の危険性を検証した動画を Web サイトに公開し、注意喚起を行っている。

検証実験は、愛知工科大学工学部 小塚一宏教授監修のもと実施。モニター(20〜30代の男女4名)にアイマークレコーダー(視線計測装置)を装着し、スマートフォンでメール操作をした場合としない場合における視線の違いや特徴を比較した。

衝突事故や赤信号無視--「ながらスマホ」の危険性を検証した動画を JAF が公開
アイマークレコーダーで「ながらスマホ」の視線を計測

「歩行者編」の実験では、対向してくる歩行者と衝突したケース(4名中1名)や、前を横切った親子に衝突しそうになったケース(4名中1名)があり、モニター全員が接触しそうになった相手に回避行動を取らせた。「自転車編」では、子ども(マネキン)に衝突したケース(4名中1名)や、赤信号を見落として通過したケース(4名中2名)があった。

「自転車編」の実験の様子
「自転車編」の実験の様子

赤信号を見落としたケースも
赤信号を見落としたケースも

検証の結果から、小塚教授は「『ながらスマホ』は視線が画面の文字や動画に集中して釘付けになることで、前方や左右に視線が配られないため周辺の認識が困難となり、歩行者などに衝突する危険性があり、なおかつ自転車乗車時では体勢が不安定となるうえ、相手への衝突の危険性や加害度合が高くなります」と指摘している。

同実験は、東京都渋谷区の「道玄坂下スクランブル交差点」で歩行者編を実施。自転車編は、自転車乗車中のスマートフォン操作が道路交通法に触れるため、自動車教習所のコース(640m の特設コース)で実施し、歩行者役にはマネキンを使用している。