NEDO とロームは、次世代のウェアラブル生体センサーに最適な超低消費電力技術の開発に成功した。不揮発性メモリ(FeRAM)と不揮発性ロジックの技術を組み合わせることで、必要なときだけ電源をオンにする、独自の「ノーマリーオフ化技術」を確立した。

必要な時だけオンに、NEDOが消費電力世界最小のウェアラブル生体センサー技術を開発
ウェアラブル生体センサーモジュールの消費電力構成比

必要なときだけ電源をオンにする「ノーマリーオフ化技術」を用いたウェアラブル生体センサーモジュールは、体表面から心拍数の取得や加速度センサなど他のデジタル出力センサの情報も取得、演算、記録できる。また、通信機能を搭載し、スマートフォンと連動したデータ通信は、平均消費電流38μA、従来比5分の1の消費電力でできる。

さらに、消費電力を従来比10分の1とする目処も立っており、従来のバッテリ寿命を10倍に延ばすウェアラブル生体センサーの製品とともに、構造物の監視センサーや農業用センサーなどへも広く応用が期待されるという。

不揮発性デバイスとは、電源を供給しなくても、データが保持されるデバイス。不揮発性メモリの代表的なものとしてフラッシュメモリや FeRAM、EEPROM などがある。

ノーマリーオフとは、システム内の真に動作すべき構成要素以外の電源を積極的に遮断すること。電源遮断をしてもシステムの状態やデータを忘れない、不揮発性メモリなどのデバイスが必要とされる。