産業技術総合研究所(「産総研」)触媒化学融合研究センター触媒固定化設計チームは、二酸化炭素(CO2)とアミン、スズアルコキシド化合物とを反応させて、芳香族ウレタンを高収率で得る、新しい反応プロセスを開発した。芳香族ウレタンは、現在医農薬品などに用いられる化学物質であるが、ポリウレタンの原料として有望。

産総研、二酸化炭素からポリウレタン原料を効率的に合成
従来のポリウレタン製造法と今回開発した芳香族ウレタン合成法

現在、ポリウレタンの製造に用いられるホスゲンは、猛毒で腐食性が強く、製造過程で多量の廃棄物が発生するため、より環境に調和した製造プロセスに転換することが望まれている。


産総研では、安価で豊富に存在する CO2 とアミン、アルコールを原料に用いることで、理論上廃棄物が全く生成されない、理想的な環境調和型ウレタン合成法の開発に取り組んできた。

これまでに開発した技術では合成できるウレタンの種類が限られ、ポリウレタン原料の元になる芳香族ウレタンを合成することはできなかったが、CO2 加圧下でアミンとスズアルコキシド化合物を反応させると、芳香族ウレタンが高収率で合成できることを見いだした。

今後は、反応条件を最適化することで、反応のさらなる効率化を図る。また、さまざまなアミンやアルコールへの適用性について検証する。さらに、スズアルコキシド化合物の再生条件の最適化や、スケールアップの検討も進め、早期の実用化を目指す。

なお、この技術の詳細は、10月16から18日に旭川グランドホテル(北海道旭川市)で開催される第44回石油・石油化学討論会で発表される予定。