ユーザーが契約している「インターネット接続サービス事業者(ISP)」を「遠隔操作」で変更する事業者がトラブルを起こしている、との話題が注目を集めている。国民生活センターが注意喚起として発表したものだが、「遠隔操作」の意味がよく分からず、けげんに思う人も少なくないようだ。

国民生活センターは9月18日に「相談激増!遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルにご注意」と、やや扇情的な見出しで注意喚起の文章を発表。これを一部のニュースサイトが報じた。


内容を要約すると、一部の事業者がユーザーに電話で勧誘をかけ、ISP コースを変更して料金を安くするなどとうたって、実際には ISP そのものを「遠隔操作で」変更してしまったためトラブルが起きている、というものだ。

しかしこの「遠隔操作」の説明があいまいなため、ユーザーの契約している ISP を無関係な事業者が勝手に変更できるのかと、首を傾げる人も少なくない。

国民生活センターの報告書本文(PDF)を読めば、「遠隔操作」の意味はおおよそ分かる。報告書では具体的な被害の例として次のように書いている。

「遠隔操作をすることになり、いったん電話を切った後に、別の人から電話があり、言われるがまま操作した」(50代女性・高知県)
「指示されたとおりにパソコン申込画面を出し事業者から言われるままに確認項目にチェックを入れ、送信をした」(40代男性・鹿児島県)

さらに、「遠隔操作によるプロバイダ接続手続き(例)」として次のように説明している。

ISP を「遠隔操作で変更」されトラブル? -- どういう意味か
リモートデスクトップの設定など最初の手続きをするのはユーザー自身

(1)消費者が事業者の指示で遠隔操作用のソフトをダウンロードする。
(2)消費者が画面に表示される ID とパスワードを事業者に伝える。
(3)自分(消費者)のパソコンのデスクトップ画面が相手(事業者)のパソコンに表示され、遠隔操作が可能となる。

■「遠隔操作」と言ってもユーザー自身が手続きをしている

つまり遠隔操作とは言っても、事業者の言うなりに「ユーザー自身」がさまざまな操作をし、あるいはリモートデスクトップアプリケーションをダウンロード、設定するなどの行動をとっている訳だ。

セキュリティにからんで「遠隔操作」という言葉は意味の不明確な使われ方をする場合があるが、何が危険かをユーザーに伝えるうえで本当に適切なのかどうか、検討の余地はあるだろう。