海外市場の多くは、大量生産による部品の共通化や生産効率の向上を目的に、鉄道車両メーカーが基本的な仕様をあらかじめ策定した標準型車両に、鉄道事業者が出力や電源、最高速度、車内のインテリア、外装などを決めて完成させる、セミオーダーメイド型の車両が主流だ。
日立の「グローバル A-train」は、車両構成のフレキシビリティと最大限の標準化をめざし開発を進めているもので、「A-train」で採用しているアルミニウム構体技術をベースとし、欧州規格への適合や設計の最適化を進め、部品点数の削減や軽量化を図った車両。
デザインは、用意されたパターンの中から鉄道事業者が自由に選択できる。
室内空間やテーブル、座席、トイレ、照明や空調などの基本設備から、無線 LAN や USB、電源ソケットなど、PC やスマートフォンの使用を想定した設備にいたるまで、乗客のニーズを調査し、その結果を設計段階で反映している。
今回公開された AT-200 は近郊車両で、営業速度は時速約 200km まで対応できる。車内には、クロスシート、荷物置場、テーブルなどを設置し、各座席に USB と電源ソケットを設置した。また、出入り口は片側2か所で、通勤ラッシュのピーク時における主要駅での停車時間を60秒から90秒の範囲に収めることができるそうだ。
今後日立では、「グローバル A-train」のラインアップを拡充、欧州市場や新興国市場にも展開していく予定。
なお、AT-200 の製造は、現在、英国ダーラム州ニュートン エイクリフに建設中の工場で行う予定。
「AT-200」イメージ |