絶版になった漫画の電子版を無料で読める「絶版マンガ図書館」が公開になった。従来の「J コミ」を改称したもの。広告収入モデルを採用しており、ここで漫画を読んでもらうことで、インターネット上に出回る海賊版を駆逐しようという狙いだ。

絶版マンガの電子版を無料で読める「絶版マンガ図書館」、海賊版撲滅へ「Jコミ」から刷新
絶版マンガ図書館

絶版マンガ図書館は、人気漫画家で、表現の自由を擁護する運動家としても知られる赤松健氏が旗振り役。同氏が代表を務める J コミが運営する。 古今東西の漫画を収集し、日本の漫画文化保全の一翼を担う目的だ。


電子書籍版「YouTube」を目指しており、ユーザーからも電子版の投稿を受け付ける。また投稿作品の絶版を自動判定するアルゴリズムの実装も掲げる。

これに加え、海賊版に打撃を与えるために米国デジタルミレニアム著作権法(DMCA)申請代行も手掛けるほか、絶版マンガ図書館への収蔵と同時に米国 Amazon.com の個人向け電子出版「Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)への登録も行うという。

従来の J コミと同じく無検閲のスマートフォン向けアプリケーションを用意する。高精細なオンデマンド印刷や、電子透かし入り PDF ストアの展開もうたっている。さらに漫画専門 Wiki とデータベースを構築するという。

■企業、ユーザーは動くか

絶版マンガ図書館、J コミが掲げるこれらの構想のどれだけが現実になるかは不明。

米国では Apple が、海賊版を回収して正規版を聴かせる仕組みを構築したが、高い技術と、豊富なリソース(資源)を持つ同社だからこそできたともいえる。

はるかに小さな企業である J コミが掲げた理想を形にするためには、志のある優秀な IT 企業、漫画文化に敬意を持つ多数のユーザーの支持も必要だろう。

とはいえ、発展は期待したい。かつて貸本屋から出発し、実店舗を通じて多くの読者に古今東西の作品に触れる機会を与えた「現代マンガ図書館(現:明治大学現代マンガ図書館)」のごとく、ネット上において漫画文化の守護者となることを願いたい。